SOMPOリスクマネジメントとマクニカが協業
SOMPOホールディングス傘下のSOMPOリスクマネジメントマネジメントと電子部品関連専門商社のマクニカは2月2日、協業でフォークリフトの運転映像をAIにより解析することに成功したと発表した。SOMPOリスクマネジメントはこの技術を生かし、新たなフォークリフト運転診断サービスを2月より開始する。
近年、フォークリフトの死傷事故数は減少傾向を示しているが、2020年度の死亡事故は逆に前年比155%に達した。フォークリフトはトラックや乗用車に次いで事故率が高く、労災事故だけではなく取扱貨物の物的損傷を防ぐためにも、ドライバーの安全運転指導が重要となっている。
対策の一環として、トラックや乗用車と同様、ドライブレコーダーを搭載するフォークリフトが増加。ドライブレコーダーで撮影した映像を分析し、フォークリフトのドライバーに対して安全運転の指導を行うことが事故防止の有効な対策となっている。
しかし、特にフォークリフトを多用する物流業界などは多くの企業で人手不足が深刻なため、長時間に及ぶ映像分析まで手が回らず、ドライバーの安全運転指導に映像データが十分活用できていなかった。
こうした課題を抱える企業に対し、映像分析の負荷をSOMPOリスクマネジメントが担う「人による映像分析」によるフォークリフト運転診断サービスを提供してきたが、映像分析に時間がかかるため、アウトプットの提供までに多大な労力とコストを必要としていた。
SOMPOリスクマネジメントはマクニカと協業で、マクニカのAI専門家組織「AI Research&Innovation Hub(ARIH)」のAIライブラリを活用。ドライブレコーダーの映像をAIで解析し、97%以上の高い精度で危険運転映像の検出に成功した。加えて、SOMPOリスクマネジメントの既存コンサルティングのデジタルによる解析、短時間でのアウトプットの提供、コストの低減を実現した。
今回のフォークリフト運転診断サービスの提供により、フォークリフトドライバーの運転資質向上を図り、企業の貨物・労災事故に起因する危険運転の早期発見、事故の防止に貢献することを目指す。
※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
フォークリフト運転診断サービスの概要
フォークリフト運転診断の流れ
SOMPOリスクマネジメントからフォークリフト用ドライブレコーダー(データテック社製:最大5台)を1週間貸し出し、取得した映像をAIで解析。急発進、急加速、急旋回などの危険運転データを抽出。診断結果をレポートに取りまとめ、提供。
主な対象
①物流企業
②製造業の物流部門
③フォークリフトを使用している企業
特長
①ドライバーの危険運転特性の把握と課題への重点的な対応により、運転資質の向上を図ることができる。
②AIによる映像解析により、これまで2カ月要していたアウトプットの提供が最短3日で可能になる。
③AIの活用により、危険運転の抽出、判定の品質維持・向上につながる。
④リアルな現場の状況、運転状況の把握のため危険運転映像とデータを提供する。
⑤本サービスの活用により、ドライバーの労災事故だけではなく、取扱貨物の損害防止、事故件数の削減が
期待できる。50%以上の貨物事故削減効果をもたらした実例あり。
費用・期間
①費用(いずれも税別)
・1台37.5万円~
※2台目以降は1台当たり30万円
※データテック製ドライブレコーダー既装着車の場合は1台当たり30万円
②期間
1週間程度
受注目標
年間50台、1,875万円の受注を目指す。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)