サッポロと日清、静岡~大阪間でビール&即席麺を共同輸送へ

サッポロと日清、静岡~大阪間でビール&即席麺を共同輸送へ

往復とも制裁効率向上でトラック使用台数1割、CO2は2割削減見込む

サッポロホールディングスは2月17日、グループのサッポログループ物流と日清食品が、ビールと即席麺を組み合わせた共同輸送を3月2日に静岡~大阪間で開始すると発表した。トラックの積載効率を高めるのが狙い。

静岡県焼津市に生産工場を持つサッポロと日清食品は、静岡~大阪間の輸送で往路は両社の製品を混載し、復路は空き容器や空きパレットを積み合わせる「ラウンド輸送」のスキームを確立した。

これまで往路は重量があるサッポロのビール樽を最大積載重量まで積載しても、荷台上部にスペースができる一方、比較的軽い日清食品の即席麺を荷台に目いっぱい積み込んでも積載可能重量には余裕が残っていた。

また復路では両社とも往路に比べて貨物量が少なく、満載にするのが難しい場合があった。往路と復路の両方で積載効率を改善することが課題だった。

問題解決に向けて両社で実証試験を重ねた結果、往路は両社の製品の種類や数量の組み合わせを調整することで、また、復路ではサッポロの空き容器と日清食品の空きパレットを混載することで、いずれも積載率を高めながら実車率を100%に高められるようにした。

両社が個別に輸送していた従来の方法に比べ、ラウンド輸送はトラックの使用台数が約20%、CO2排出量は年間で約10トンそれぞれ削減できる見込み。

人材育成のためサッポロは2019年に「サッポロロジスティクス★人づくり大学」を、日清食品は20年に「SCM Academy」をそれぞれ開催。受講生同士の交流も生まれている。今回の取り組みはそれぞれの受講生のアイデアが契機になって生まれたという。

※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)

「ラウンド輸送」のスキーム

“動脈物流”と呼ばれる往路ではサッポロと日清食品の製品輸送を、“静脈物流”と呼ばれる復路では空き容器や空きパレットなどの資材輸送を効率的に組み合わせ、積載率向上を図る。
<往路>
サッポロは静岡工場(静岡県焼津市)から大阪物流センター(大阪市、以下大阪DC)まで、日清食品は静岡工場(静岡県焼津市)から日清エンタープライズ(大阪府摂津市)まで製品をそれぞれ輸送していた。今後はサッポロ静岡工場でビール樽を積載したトラックが日清食品静岡工場に立ち寄り、即席麺製品を積載後に大阪へ輸送。それぞれの倉庫で荷降ろしする。
<復路>
サッポロは大阪DCから静岡工場まで、日清食品は関西工場 (滋賀県栗東市) から静岡工場まで空き容器や空きパレットなどをそれぞれ輸送していた。今後はサッポロ大阪DCから空き容器などを積載して輸送するトラックについて、満載の場合はサッポロ静岡工場へ直接向かい、荷台スペースに余裕がある場合は日清食品関西工場で空きパレットを積載してから静岡へ輸送、それぞれの工場で荷降ろしする。


実施前


実施後

積載方法

往路は重量貨物のサッポロのビール樽をトラックの最大積載重量で積載しても、荷台上部にスペースができていた。そこで、一部のビール樽を日清食品の即席麺に置き換えて満載にすることで、重量面と容積面の双方でほぼ100%の積載率を実現できる。
復路では、サッポロの空き容器などで満載にできない場合、空いたスペースに日清食品の空きパレットを積載することで、積載率を高めて運行できる。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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