松本CEOらが説明、既存の宅配大手とも補完関係構築に意欲
CBcloudは2月28日、東京都内の本社で、経営方針に関するメディア向け説明会を開いた。
松本隆一代表取締役CEO(最高経営責任者)は中長期的に目指す姿として、事業の機軸に据えている荷物と運び手をマッチングするサービスをさらに深め、車両の手配にとどまらず、荷主の多種多様な配送ニーズに柔軟に対応できるプラットフォームへ進化していく方針を示した。
そのため、既存の宅配大手などと対抗するのではなく、補完し合うパートナーの関係を構築していく意向を明らかにした。
マッチングサービス「PickGo」は登録している車両が直近で二輪車が1万5000台、軽貨物が3万5000台、一般貨物は1000社に上っており、物流業界でもインフラとして普及しつつあると自信を示した。
加えて、PickGoの各種サービスに物流事業者の業務効率化をサポートする「SmaRyuトラック」「SmaRyuポスト」を組み合わせることで「緊急的な配送だけでなく、インターネットスーパーやフードデリバリーなどでも活躍できる。社会への価値還元に取り組んでいける」と強調。SmaRyuトラックは導入が900社に上るなど、順調に利用が広がっていることをアピールした。
PickGoについても、登録ドライバーを支援する「PickGoパートナー」で新たに各種保険やETC、ガソリンの優待といった福利厚生の拡充を検討していることに言及。パートナーのドライバーからもより選ばれる存在となることにあらためて決意を示した。また、軽貨物を使った緊急配送の利用場面を広げるため、テレビCMを打っていくことを明らかにした。
企業向けの「PickGoエンタープライズ」では、佐川急便やトランコムと提携していることを生かし、ネットスーパーの配送拡大、処方薬や新型コロナウイルス感染の自宅療養者向けといったヘルスケア領域の配送スタートに取り組んでいることを紹介した。他にも、買い物難民の支援などを探るため、実証実験を広げていく意向を語った。
同社の久保田弦執行役員兼経営企画本部長は、今後の経営方針として、「サービス/プロダクト」「人材採用」「アライアンス」の3点で取り組みを強化していくと解説。埼玉県川口市に同社として初めての倉庫「CBcloud川口デポ」を構え、ECの荷物取り扱いを増やすことなどを目指す考えを明らかにした。
「車両を手配するところから少しだけ踏み出して、荷物をきちんとコントロールし、荷主様にお返し、サービスを提供することに取り組んでいきたい。宅配の方々と補完する形でサービスを作り込んでいけるのではないか」と狙いを解説。今後は他のエリアでも同様に倉庫を展開していくことに意欲を見せた。
トランコムとは国内最大規模の求貨求車プラットフォームを構築していきたいとあらためて強調。久保田氏は「いろんな方と、パートナーと思っていただける座組みをもっと作っていきたい」とアライアンスの拡大に積極的な姿勢をのぞかせた。また、拠点を現在の東京、大阪、沖縄の計4カ所からさらに増やしていくと説明した。
独自の営業活動として、3月に抽選で10組に緊急・即日配送を無料で体験できるキャンペーンを開催することを公表した。
(藤原秀行)※写真はCBcloud提供