最大12テナント入居可能、23年5月末竣工見込む
ESRは3月10日、埼⽟県加須市で新たなマルチテナント型物流施設「ESR加須ディストリビューションセンター(DC)2」の建設を本格的に開始したと発表した。
地上4階建て、延べ床⾯積は10万5300平方メートルを計画。2023年5⽉末の竣⼯を予定している。最⼩賃貸区画は約1500坪で、最⼤12テナントが入居できるようにする計画。総投資額は約210億円を見込む。
同市内で物流施設を開発するのは17年1⽉竣⼯の「レッドウッド加須ディストリビューションセンター」に続いて2棟目で、約6キロメートルのエリアにある。
東北⾃動⾞道の加須ICから約6.2キロメートル、圏央道と連結する久喜⽩岡JCTから約13キロメートルと⾼速道路へのアクセスに強みを持つ立地。東京都⼼まで⾞で60分で、⾸都圏全域をはじめ東北地⽅までをカバーできる広域配送拠点としての活用を見込む。
東武鉄道伊勢崎線の加須駅まで5.6キロメートル。同駅を経由するコミュニティバスの最寄り停留所から850メートル(徒歩約10分)と公共交通機関での通勤も可能。加須市や周辺都市の労働⼈⼝も多く、職住近接の労働環境が整っており、労働力確保でも優位性があるとみている。
建物は耐震構造を採用。⼀⽅通⾏のスロープで3階までトラックが直接アクセスできるようにする。1階は建物両⾯に、3階は中央⾞路を挟んで両側にそれぞれトラックバースを配置。奥⾏は14メートルを確保し、計108台の⼤型⾞が接⾞可能。敷地内に⼤型⾞の待機スペースを⼗分に確保し、安全性に配慮した効率的な⼊出庫オペレーションを実現する。
倉庫部分は、⾼い保管能⼒を確保し汎⽤性を⾼めた設計。1~2階、3~4階のメゾネット仕様で、荷物⽤エレベーターと垂直搬送機で縦搬送能⼒を確保する。梁下有効⾼は1階と2階は6.5メートル、3階は5.5メートル、4階は6.0~7.7メートルに設定し、1平方メートル当たりの床荷重は1階と2階が2.0トン、3階と4階は1.5トンを持たせる。柱ピッチは間⼝11メートル×奥⾏き10.5メートルを想定している。
⾞両と従業員の動線を分離し、各階北⻄・北東に2カ所、南中央に1カ所の計3カ所に分散させて事務所(1階は荷受け室)・共⽤部を配置したフロア設計。ラウンジも4階に3カ所設ける。業務エリアからの移動距離を減らし、⾞路も通らずにアクセスできるようにし、安全かつ有効に休憩時間を活⽤可能な環境を整備。主な通勤⼿段は⾃家⽤⾞と想定されるため、⼈材確保の施策として駐⾞場265台以上を⽤意する。
SDGs(持続可能な開発⽬標)を重視し、全館LED照明や環境配慮型照明システム、外壁には断熱性能の⾼いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調や節⽔器具の省エネルギーの最新設備機器を導⼊するなど、環境負荷低減に配慮した建築計画を展開。CASBEE Aランク評価を取得する予定で、⾃家消費型太陽光発電システムも取り入れる。
BCP対策としては⾮常⽤⾃家発電設備を備え、停電時でも防災センター、荷物⽤エレベーター、電動シャッター、トイレなどが⼀定時間使⽤できるよう設計する。
(画像はESR提供)
(ロジビズ・オンライン編集部)