新中計公表、庫内作業自動化の共同研究も継続
鴻池運輸は5月19日、2030年に目指すべき姿を示した「2030年ビジョン」の改訂版と、2022~24年度を対象とする新たな中期経営計画を公表した。
新たに目標とする姿として「技術」で、人が、高みを目指す」と設定。先進的な新技術を駆使して安全確保や業務改善を推進、個々の従業員の創造性を高める豊かな働き方を実現することなどを打ち出した。
2030年ビジョンは最初に発表した2018年から環境が大きく変化しているのを踏まえ、内容を見直した。
新中計は「革新への挑戦」「安全・安心の追求」「サステナビリティの追求」「収益力の向上」を柱に据え、メディカル関連を新規に注力事業として位置付け、取り組んでいくことを盛り込んだ。
物流事業ではフォワーディング事業のDXを推進する方針を明示。先日発表した海上輸出入業務のオンライン支援サービス「KBX」を展開することや既存倉庫で米スタートアップのOSAROと連携して庫内作業自動化の共同実験を推し進めることなどを列挙した。
また、現場作業の安全・安心レベル向上へ独自でカスタマイズしたGPS端末を使い、作業者が一定時間動かなくなった場合は自動的に管理者へ連絡する取り組みを続けることも示した。
財務目標は、最終の24年度(25年3月期)に連結売上高を21年度(22年3月期)実績の3013億円から約10%増の3320億円に、営業利益は102億円から約6割増の160億円、ROE(自己資本利益率)を7.5 %から8.0%にそれぞれ伸ばすことを設定した。
温室効果ガスのCO2排出量は24年度に、18年度(19年3月期)実績比で20%減らす方針。
2030年度には連結の売上高を4500億円、営業利益を250億円、ROEを10%以上にしたい考えだ。CO2は18年度比で35%減らすシナリオを記している。
(藤原秀行)