実証実験で好評、23年度の本格展開目指しまず「スモールスタート」
ZMPとENEOSホールディングス(HD)は7月21日、ZMPの無人宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」を使った宅配サービスを、今年10月以降をめどに東京都の月島・勝どき・佃エリアで始めると発表した。
ZMPが同日、東京都内で開いた新たな製品やサービスの発表イベントで両社担当者が明らかにした。
両社はENEOSのサービスステーション(SS、給油所)などのインフラとZMPのDeliRoを組み合わせ、ラストワンマイル配送を担うエニキャリの協力も得て、食料品や日用品など異なる店舗の商品を同時に消費者へ配送する実証実験を同エリアで展開。今年2月に実施した際は1カ月で約650件の注文を受けるなど地域住民から好評を博したため、本格的にスタートすることにした。
今年2月の実証実験時の様子(両社提供)
当初はスモールスタートと位置付け、同エリア限定の小規模なサービスとして提供する予定。現状では当初、DeliRo4台を配備し、SSをDeliRoの充電・待機場所として活用、レストランやスーパー、コンビニなどの商品配送を担う方向で準備している。
22年度末まで継続してサービス展開した上で、ビジネスとして成立させる上での課題を検証。23年度以降の本格的なサービス開始につなげていきたい考え。
発表イベントに参加したENEOSHD未来事業推進部の片山裕太氏は「(スモールスタートで)実際に持続可能なビジネスを描けるか判断したい。(ロボットの遠隔監視など)様々な要素を使いたい形で必要なところだけお届けすることもやっていきたい」と強調。
ZMPの池田慈ロボライフ事業部マネージャーは「“人とロボットが協働するまちづくり”という部分はこれからもぶれない形で事業展開していく」と語った。
DeliRoと撮影に応じる(左から)ZMP・池田氏、ENEOSHD・片山氏
(藤原秀行)