トナミが特積み初、「リニューアブルディーゼル」の実証利用開始

トナミが特積み初、「リニューアブルディーゼル」の実証利用開始

伊藤忠エネクスなどと連携、温室効果ガス排出9割削減見込む

トナミホールディングス傘下のトナミ運輸は8月29日、伊藤忠エネクス、佐藤石油店(愛知県飛鳥村)と組み、物流領域の脱炭素化に向け、新たに環境負荷が低い「リニューアブルディーゼル(Renewable Diesel=RD)」の給油拠点を佐藤石油店の飛島トラックステーションに設置し、トナミの幹線輸送でRDの実証利用を開始したと発表した。

8月23日から相模支店(神奈川県海老名市のRD給油拠点の最寄り)と中京エリアの事業所(愛知県飛島村のRD給油拠点の最寄り)間の運行ルートで、従来の軽油の代替燃料としてRDを使用。環境負荷低減効果や使いやすさなどを実証検証する。

特別積合せ事業(拠点間幹線輸送の大型車)がRDを使用するのは国内の物流業界で初めてという。伊藤忠商事がフィンランドのエネルギー企業NESTE(ネステ)とRDの日本国内向け輸入契約を締結、伊藤忠エネクスが国内のRD輸送・給油に関する一連のサプライチェーン構築を担った。

ネステのRDは食品競合のない廃食油や動物油などを原料にして製造。ライフサイクルアセスメントベースでの温室効果ガス排出量が石油由来軽油比約90%削減らせると見込む。RDは主に輸送用トラックやバスなどでの使用が期待されており、既存の車両や給油関連施設をそのまま利用できる点も強み。既に欧米を中心に広く流通実績がある。

脱炭素施策に要するコストを最小限に抑え、温室効果ガス排出削減にも大きく貢献できる「次世代リニューアブル燃料」として、今後の陸上輸送分野での利用拡大が期待されている。

住所:愛知県海部郡飛島村竹之郷6丁目93
アクセス:梅之郷IC(名四国道)から車で4分


RDを使用する運行車(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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