周囲の歩行車など検知精度向上、夜間でも機能
海外の先進機器販売などを手掛けるジャパン・トゥエンティワン(J21)は11月8日、正規販売代理店を務めているイスラエルのモービルアイ製造の後付け型衝突防止補助システムの新製品「新世代モービルアイ」を発売すると発表した。
先進運転支援システム(ADAS)を様々な車両に後付けできるよう製品化。車両のフロントガラスに取り付けたカメラの映像から車両やオートバイ、歩行者、自転車、車線を検知し、検知対象と自車速度などの情報を合わせて解析、衝突などの危険を察知する。衝突の危険が迫るとドライバーにアイコン表示と警報音による警告を発し、交通事故を防ぐ。
主な機能は「追突警報」「低速時追突警報」「車間警報」「車線逸脱警報」「歩行者警報」の5つの警報と「速度標識認識」。警報により個別の事故を防ぐ直接的な事故回避効果とともに、個々のドライバーの運転習慣を改め、安全重視を習慣化させる効果も期待できるという。
新世代モービルアイ(上)と画像処理半導体EyeQ(J21提供)
モービルアイの画像処理半導体「EyeQ」はADASを実用化するために世界の大手自動車メーカーが採用しており、全世界での累計出荷は1億台を超え、ADASや自動運転技術のリーディングカンパニーとして業界を牽引している。
今回発売する新世代モービルアイには、AI機能を搭載したEyeQ半導体チップを採用。1秒間に2兆5000億回も演算を行うのが特徴で、改良したカメラセンサーとともに運転中の潜在的な危険性に対し、より高速・高精度な検知を可能にしている。
AIによって昼夜問わず検知対象物を正確に検出し、さらに複雑なアルゴリズム処理と状況分析を行うことで正確な警報を実現。従来モデルよりも広範囲かつ高精細に車両前方を監視し、夜間でも走行中の自転車・歩行者を検知することで、現行モデルより進んだ歩行者警報機能を実現している。
近年導入されることが多く交通事故の削減に実績を上げている、モービルアイとデジタコなどの機器連携による安全運行支援システムの構築にも対応。車両走行中の「ヒヤリハット」遭遇時に発生した警報数の集計や動画の取得、また車間秒数の傾向などを把握し、社用車やドライバーを一括で管理することで、運転状況の見える化とともに安全運転指導に役立てられると見込む。
モービルアイは、装着後に追突事故の件数が約88%削減したいう結果を得ているという。J21は2011年の国内販売開始以来、モービルアイをトラック・バスなどの運輸・運送事業者、大口の社用車ユーザーを中心に7万台以上出荷してきた。
<製品情報>
製品名:Mobileye(モービルアイ)580
型番:ME580
販売価格:要問い合わせ
標準取付工賃: 乗用車38,500円(税別35,000円)・中大型車 49,500円(税別45,000円)
製品保証:1年間(代品・修理以外の交換に要する工賃も含む)
<製品仕様>
システム構成:メインユニット、アイウォッチ〔警告表示装置〕、GPSユニット
衝突防止警報機能:追突警報、低速時追突警報、車間警報、車線逸脱警報、歩行者警報、速度標識認識
安全運転支援機能(オプション):速度超過警報(表示装置での視覚警報)
ビジョンセンサ左右視野:52度、入力電圧:10-36V DC(最大消費電力8.5W)
動作温度: -20℃~ 60℃
メインユニット仕様
構成:CMOSセンサー・カメラ、レンズ・警報ブザー、EyeQ®4画像処理チップ、通信モジュール、電源供給
サイズ:120mm(長さ)×78mm(幅)×44(高さ)mm
重量:200g
アイウォッチ仕様
構成:フルカラー液晶によるアイコン表示による警報、設定値変更ボタン
サイズ:49mm(直径)×24mm(奥行)[29mm(脚収納時)/66mm(脚使用時)]
重量:46g
GPSユニット仕様
サイズ:40mm×40mm
(藤原秀行)