北欧のテレノールコネクション・ルンドクヴィストCEOが業務効率化への貢献強調
北欧の通信大手Telenor(テレノール)グループでIoT事業を手掛けるTelenor Connection(テレノールコネクション)のマッツ・ルンドクヴィストCEO(最高経営責任者)と日本・韓国地域責任者のリハルド・ギメシ氏は11月16日、来日記者会見に併せて、ロジビズ・オンラインの単独インタビューに応じた。
ルンドクヴィストCEOは、スウェーデンのボルボやスカニアが手掛けるトラックなどのユーザー向けに、通信機能のある車載器を使って現在地といった情報を把握、車両の運行管理を支援するサービスを展開してきたことに言及。「新型コロナウイルス感染拡大を受けたECの利用拡大で日本もトラックの輸送機会が増えている」など最近の傾向と指摘した上で、自社の経験を生かし、テレノールのIoTを使ったトラックの配送ルート最適化などを広げられると語った。
また、日本の物流企業の間でも同社のIoTに関心を寄せている存在があると明言。海上コンテナの追跡・状態把握でもテレノールコネクションのIoTを利用できる余地が大きいと強調し、幅広い物流のシーンで業務効率化に貢献できる姿勢を訴えた。
取材に応じるルンドクヴィストCEO
中国のコンテナ大手CIMCとも連携で実績
ルンドクヴィストCEOは、来日記者会見と同じく、IoTに関しては今後、アジア太平洋地域で市場の拡大が見込まれるとの見方を披露。その中でも日本は重要な位置を占めると説明した。
これまでの実績として、日立建機との取り組みを引用。IoT用のSIMを搭載したモジュールを建機に取り付けることで、稼働状況に関するデータを収集し、予防的なメンテナンスや効率的な活用による経費抑制につなげていることを明かし、現状は140カ国で30万台の重機にIoT環境を実現できていると成果を示した。
同様に、トラックの効率的な運行管理をIoTで実現できるとアピール。「将来はトラックの自動運転技術の開発も進む。5G(次世代高速通信規格)の利用も広がることで当社の技術が生かされる余地が拡大する」と前向きな見方を明かすとともに、ドローンによる物流などにも関心をのぞかせた。
また、中国のコンテナ製造大手、中国国際海運集装箱(CIMC)向けにグローバル規模で安定した通信が可能なIoTの環境を提供、コンテナの位置や状態を確認できるサービスの展開を後押ししたことに触れ、日本でも港湾で同様のサービスを提供できるようにすることに意欲を見せた。
一方、ギメシ氏は来日会見と同様、日本市場を重視している姿勢を重ねてPR。「日本はわれわれのアジア太平洋地域における事業運営のバックボーンであり、われわれのパフォーマンス向上に大きく貢献している」と説明した。
日本ではスタッフを拡充し、IoT領域の事業体制を強化してきたことにも触れ、製造業に加えて物流など他の領域への展開拡大にも注力していきたいと述べた。併せて、日本ではサプライチェーンのデジタル化にも関心を持っていると語った。
(藤原秀行)