前年度から拡大、再び動き活発化か
2022年度の物流コスト調査結果の速報版を公表した。調査結果は原則として21年度の実績値を表している。
荷主企業(物流子会社含む)に取引先の物流事業者からの値上げ要請の有無を尋ねたところ、回答した164社のうち「あり」が76.2%(125社)で、「なし」の23.8%(39社)を大きく上回った。21年度調査時の66.9%からも拡大した。
値上げを要請されたコストの種類を尋ねたところ(複数回答可)、「輸送費」が106社で「あり」と答えた企業の6割強を占めた。「荷役費」は約3割の50社、「包装費」は46社、「保管費」は42社、「物流管理費」は11社だった。
JILSは「21 年度調査では、物流コストの値上げ要請に向けた動きがやや落ち着いた印象であったが、22 年度調査結果からは、輸送費を中心に値上げ要請に向けた動きが再度活発になっている様子が伺える」と解説した。
値上げ要請を受けた125社のうち、要請に応じたのは95.2%(119社)で、応じなかったと説明したのはわずか4.0%(5社)にとどまった。無回答は0.8%(1社)。具体的にどの程度応じたかは調査していない。
値上げに応じたコストの種類(複数回答可)は「輸送費」が101社で、応じた企業全体の8割強を占めた。「荷役費」は47社、「包装費」は42社、「保管費」は41社、「物流管理費」は9社となった。
調査結果の確定値は22年4月に公表する予定。
(藤原秀行)