従業員に将来勤務の可能性ある場所明示を義務化へ

従業員に将来勤務の可能性ある場所明示を義務化へ

厚労省審議会が報告書、「無期転換ルール」見直しも

厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)労働条件分科会(会長・荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月27日、今後の労働契約法制と労働時間法制の在り方に関する報告書を公表した。

この中で、労働基準法で従業員に明示するよう企業に義務付けている労働条件の事項に、就業場所や業務の変更の範囲を追加することが適当との考えを表明。現在は労働条件通知書に労働契約締結直後の就業場所のみ記載する必要があるが、今後は将来勤務する可能性がある場所や担う可能性がある業務内容も明記するよう求めることにした。

多様な働き方を求める人が増えていることなどを考慮し、より自分に合った仕事を選べるようにする。

また、有期契約の労働者が労働契約を更新して通算5年を超えると無期契約への転換を企業に申し込める「無期転換ルール」を見直すことも提言。無期契約への転換を申し込む権利が発生する期間を含んで契約を更新する際、企業は労働者に対し、申し込みが可能なことや無期転換後の労働条件を明確に示すことを義務付けるよう要望している。

無期契約に転換したい人が確実に申し込めるよう後押しするのが狙い。厚労省は報告書を受け、労働基準法の厚労省令を2023年中に改正する方向だ。

(藤原秀行)

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