イノフィスなど参加の任意団体、アシストスーツ限定の展示体験会を日本初開催

イノフィスなど参加の任意団体、アシストスーツ限定の展示体験会を日本初開催

理学療法士らが登壇、選び方など情報発信も

東京理科大学発ベンチャーのイノフィスは1月26日、物流現場などの作業時に装着することで腰や腕への負荷を減らせるアシストスーツの啓発活動を行う任意団体「アシストスーツ協会」が主催し、アシストスーツ関連企業に限定した展示体験会「アシストスーツサミット」を1月20日に東京・代官山の「代官山T-SITE GARDEN GALLERY」で開催したと発表した。

同種の展示会は日本で初めてという。

当日は同加盟4社と参画企業1社、合計5社が出席。製造業を中心に様々な業界の企業担当者ら約80人が来場した。会場ではアシストスーツ導入支援を行う理学療法士・逢坂大輔氏の講演、アシストスーツ協会代表理事の飯田成晃氏から協会発足の挨拶、導入体験者のパネルディスカッションを実施した。


(左から)アルケリス・藤澤秀行社長、イノフィス・折原大吾社長、アルケリス・飯田成晃取締役COO(最高執行責任者)、加地・塩谷俊之取締役、ダイドー・追田尚幸社長、日本シグマックス・大島浩ウェルネス事業部スペシャリスト

シーエフロボタスの代表取締役も務めている逢坂氏は「理学療法士に学ぶ、アシストスーツを活用した労働災害予防」をテーマに講演。労働災害の現状や予防と対策方法、労働災害の観点から見たアシストスーツの役目などを解説し、「アシストスーツの選び方は業種ではなく作業で選ぶのがおすすめ」などとアドバイスした。

同協会の飯田代表理事は「苦しい状況に負けず、アシストスーツ協会自らがチャンスをつかむための行動を起こし、業界全体を盛り上げていきたい」などと決意を表明した。

午後は「アシストスーツ導入経験者に聞く!”アシストスーツの現場導入のポイント”」と題し、パネルディスカッションを開催。導入経験者として、社会福祉法人友愛十字会 砧ホームの鈴木健太施設長と、山形県でぶどう農家を営む島軒正陽氏が登壇。砧ホームはイノフィスの「マッスルスーツEvery」を、ぶどう農家はアルケリスの「アルケリス」とダイドーの「TASK AR」を使用している。


(左から)ファシリテーターの逢坂氏、砧ホーム・鈴木施設長、ぶどう農家の島軒氏

導入の効果について、鈴木氏は「楽に仕事ができるようになったので、職員は腰への負担を気にすることなく利用者さんの事を一番に考えて丁寧な仕事ができるようになりました。利用者さんからは“介護がうまくなったね”とお褒めいただくこともあります。導入してから腰痛が原因で離職した職員はゼロです」と説明。

島軒氏は「8時間以上連続して作業を続けることができ、作業効率が上がって収入を増やすこともできました」と強調した。

<展示商品例>
①アルケリス(アルケリス)
「世界から立ち仕事のつらさをなくす」足腰の負担なく長時間の立ち仕事ができるアシストスーツ。

②マッスルスーツEvery(イノフィス)
最大25.5kgfの補助⼒、重量は3.8kgと軽量。電力を使用せず、圧縮空気を使用した人工筋肉が補助力を発揮するため、製造・農業・介護・物流・建設などの作業現場に利用可能。

③レイボ(加地)
コンセプトは、力の創生ではなく自らの力を再利用し、無駄なく使うこと。前屈姿勢作業時の肩や腰などにかかる負担を軽減する。

④TASK AR(ダイドー)
軽量・コンパクトな上腕を支えるアシストスーツ。農業や建築現場等で活躍中。

⑤メディエイド アシストギア 腰ユニット(日本シグマックス)
前傾姿勢や持ち上げ姿勢、長時間の同じ姿勢などで生じる腰への負担を軽減するアシストスーツ。人体構造に即した設計と、パーツごとの適度な伸縮性により動きやすさも確保。通気性に優れたメッシュ素材や上下パーツ合わせて約460g(Lサイズ)の軽量設計で、長時間装着でも快適に保つ。

(藤原秀行)※写真はイノフィスなど提供

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