生産性1.5倍に
ラピュタロボティクスは1月31日、ハマキョウレックスが静岡県浜松市に構えている物流拠点「高丘西センター」に、ラピュタの協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR(Autonomous Mobile Robot=自律移動ロボット)」を納入したと発表した。
導入により、従来のカートピッキングより生産性が約1.5倍に改善したという。
AMRと協働ピッキングをしている様子
ハマキョウレックスは、DX推進部署を立ち上げ、自動化ソリューションを活用した効率化を検討。関東エリアのセンターで181台のAGV(無人搬送ロボット)と5240基の移動棚を活用したGTP(Goods To Person、AGVが棚を持ちあげて作業エリアに運んでくる形態)運用をしている。
ピッキングに要するMH(時間)を最大で約45%削減する効果が出た。稼働率によりROI()の評価は変わるが、DX化による省人化効果には手応えを感じているという。
DX化をさらに推し進める中で最適なソリューションを模索しているところに、ラピュタロボティクスが自社のAMRを提案。ハマキョウは汎用性と柔軟性が高く3PLの事業特性にマッチし、AMR導入に際して既存の庫内レイアウト変更が必要ない点を評価した。
ラピュタPA-AMRは作業スタッフと協働でピッキングを行い、荷物の搬送の代行とピッキングルートの最適化を図ることで、生産性向上とピッキングスタッフの歩行時間削減を可能とする。省人化に向けた新たな取り組みとして、事前に導入後の効果について検証を行い、スムーズな導入に至った点もハマキョウが評価した。
ラピュタは今回の取り組みが今後もDX化が必要と想定される物流現場においての好事例となり得ることも導入の決め手になったととらえている。
■導入においてのポイント、新規取り組み
1. 保管環境
・既存レイアウトを変更せずに導入が可能
・パレット単位での大きな荷物の保管環境下でもAMRの運用が可能
2. 商材への対応
・店舗ピッキングでAMRを活用、カートピッキングと比較し約1.5倍の生産性向上
3. 倉庫システム連携
・既存WMSの改修工数の削減への取り組み(WMS=倉庫管理システム=とAPI連携せず、既存のWMSが保有する項目を使用し、ロボット用に柔軟に対応を実施)
また、ラピュタPA-AMRの操作画面は、誰でも簡単で直感的に使用できるユニバーサルデザインを採用。新人スタッフや日本語が堪能ではない海外メンバーでも、30分でロボットの操作をマスターし、ベテランスタッフと同等の生産性を出せるよう配慮している。企業の新人教育の手間を省き、より物流オペレーションに集中できる環境づくりにも貢献できるとみている。
(いずれもラピュタロボティクス提供)
(藤原秀行)