大阪城公園内で披露、有用性など広く発信狙い
丸紅は3月14日、米LIFT AIRCRAFT(リフトエアクラフト)が開発・製造する、「空飛ぶクルマ」の1人乗り電動垂直離着陸機(eVTOL)「HEXA(ヘキサ)」を使い、上下飛行や旋回飛行など複数の飛行パターンを有人で行う実証飛行を大阪城公園内野球場で実施したと発表した。
屋外スペースでパイロットが搭乗し、操縦する「空飛ぶクルマ」を飛行させるのは、日本で初めて。
HEXA実機(プレスリリースより引用)
実証飛行は、大阪府が公募した「令和4年度(2022年度)空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が公募した「2025年日本国際博覧会に向けた実証実験の実施候補者」の両方に、共同事業者の長大(人・夢・技術グループ)と採択され、行った。
空飛ぶクルマの有用性や利便性、新たなビジネスの創出・拡大への期待を広く発信することで、社会受容性の向上に貢献することを目指して実施した。大阪府、大阪市、大阪商工会議所で構成する「実証事業推進チーム大阪」の支援を受け、計画された飛行パターンを全て成功させた。
丸紅は、eVTOLの日本市場への展開を目指し、日本国内における社会受容性の醸成やエコシステムの形成を図るため、2021年度からリフトエアクラフトと連携を進めてきた。リフトエアクラフトは17年に米・テキサス州で創業した1人乗りのeVTOLメーカーで、米空軍と提携し特別プログラムを実施しているほか、23年より全米25都市で一般向け有償体験飛行の実施を予定している。
今後、丸紅とLIFT社は、電動で気候変動対策に大きく寄与する空飛ぶクルマの実装に向けた取り組みを加速させ、空の移動がより安全で身近な社会を創造すると同時に、低炭素化・脱炭素化を含む気候変動対策に貢献することを目指す。
共に採択。
<LIFT社 および機体概要>
正式名称 | LIFT AIRCRAFT INC. |
設立 | 2017年 |
創業者兼CEO | Matthew Chasen |
本社所在地 | 米国テキサス州オースティン |
WEBサイト | https://www.liftaircraft.com/ |
事業内容 | 1名乗りeVTOLの機体開発、製造、販売 |
機体サイズ | 全長4.5m、高さ2.6m |
機体総重量/積載量 | 最大488lbs(約221kg)/ 250lbs(約113kg) |
巡航速度 | 20-55kts(約40-100km/時) |
飛行時間 | 約10-15分 |
(藤原秀行)