日本賃貸住宅管理協会とヤマトホームコンビニエンス、エアコンなど「特定家庭用機器廃棄物」の適正回収推進へ連携

日本賃貸住宅管理協会とヤマトホームコンビニエンス、エアコンなど「特定家庭用機器廃棄物」の適正回収推進へ連携

効率的な運用可能な輸送の仕組み構築へ

マンション管理会社などの業界団体、日本賃貸住宅管理協会(日管協)と引っ越しサービスなどを手掛けるヤマトホームコンビニエンス(YHC)は5月8日、賃貸住宅管理物件から出るエアコンなど「特定家庭用機器廃棄物」の適正回収推進に向けた連携協定を4月28日付で締結したと発表した。

日管協は加盟する会員(2292社)と事業者に対し、行政や業界の最新動向の情報提供などを通じた普及・啓蒙を担当。YHCは適正かつ最適な回収スキームを展開する。制度の主体者となる管理業者(小売業者)に対して制度の認識を高めるとともに、効率的な運用ができる輸送プラットフォームを提供していきたい考え。


(日管協とYHC提供)

一般家庭から排出される使用済みの家電製品は、一部で破砕処理後に金属回収が行われているものの、その多くが埋め立て処理となっている。廃家電処分による廃棄処分場の残地容量は逼迫し、廃家電製品の処理に関する減量化は喫緊の課題となっている。

また、SDGs(国連の持続可能な開発目標)では、目標12「つくる責任、つかう責任」において、生産者も消費者も資源の無駄使いをなくし、持続可能な消費と生産に取り組むための目標が設定されている。

こうした流れを踏まえ、日管協とYHCは、全国の賃貸住宅管理物件から排出される特定家庭用機器について、廃棄物の減量と再生資源の十分な利用などを通じて循環型社会の実現を目的とした特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に準じ、特に回収率が低迷している家庭用エアコンについて、2022年度下期から「適正回収の啓発」と「回収スキームの提案」を賃貸住宅管理事業者向けに実施している。

家電リサイクル回収率は、洗濯・乾燥機が91.6%、冷蔵・冷凍庫が87.3%に上る一方、賃貸住宅のエアコンは一般消費者所有のものを含めた国内全体の14%程度(131万台/年)の排出数が見込まれているにも関わらず、回収率は38.4%にとどまっている。

両者は賃貸住宅オーナーと管理業者で当該法制度の認識と適正な回収を促進するため、今後連携を強化し、制度に対する周知・啓発と事業者の特性に合わせた回収スキーム構築に向けて取り組むことにした。

YHCは従来の事業者負担の大きい「料金販売店回収方式(通称グリーン券)」に代替して、事業者の業務軽減を図ることができる「料金管理統括業者回収方式(通称イエロー券)」を採用し、回収時に発生する輸送・管理業務の両方面からの機能を提供。収集運搬稼働の実態に合わせて、産業廃棄物収集運搬認可(積替・保管あり)の取得を全国エリアで進め、コンプライアンスを重視した運用を実施する。

(藤原秀行)

その他カテゴリの最新記事