双日、次世代の再生可能燃料製造を目指す米ベンチャーに出資

双日、次世代の再生可能燃料製造を目指す米ベンチャーに出資

26年にプラントの商業運転開始予定、航空業界の脱炭素化後押し目指す

双日は5月29日、100%子会社の双日米国を通じ、米国で環境負荷の少ない次世代再生可能燃料の製造を目指すNext Renewable Fuels(テキサス州、ネクスト・リニューアブル・フュールズ、NEXT)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。

NEXTは米オレゴン州ポートウエストワードに、次世代再生可能燃料を製造するプラントの建設を予定しており、2026年に商業運転を開始する予定。双日が出資することで、航空業界の脱炭素化への貢献を目指す。


製造プラントの完成予想図(プレスリリースより引用)

NEXTがオレゴン州ポートウエストワードに建設を計画するプラントは、廃食油や植物油、動物油脂などを原料として、現在、環境負荷の低い航空燃料「SAF」の製造方法として唯一商業化されているHEFA(植物油や動物油、廃食油を水素化処理および脱酸素化することで目的の炭化水素系燃料を製造するプロセス)技術により次世代再生可能燃料の製造を目指す。

SAFと再生可能ディーゼルを合わせて1日当たり最大5万バレル(約8000キロリットル相当)、年間で7億5000万ガロン(約280万キロリットル相当)を製造する計画。

NEXTは、SAFと再生可能ディーゼル以外にも、水素やバイオメタンガスの製造事業、次世代再生可能燃料を製造するための原料調達事業などを計画しており、脱炭素に向けた幅広い取り組みを展開している。

昨年11月には米航空大手ユナイテッド航空の傘下でサステナビリティに特化したベンチャーファンドから出資を受けたほか、石油大手ともパートナーシップを締結。双日は、既にNEXTと提携関係にあるパートナーとも連携し、安定的な原料の供給や販路開拓などを通じてNEXTの企業価値向上を後押しする。

双日はSAFの供給拡大に寄与していくとともに、日系エアラインに対する供給体制やSAFを日本に輸入するためのサプライチェーン整備も想定している。

(藤原秀行)

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