「運輸・倉庫」の景況感、5月は3カ月連続改善

「運輸・倉庫」の景況感、5月は3カ月連続改善

帝国データバンク調査、経済活動正常化がプラスに

帝国データバンク(TDB)が6月5日公表した5月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が43.4で、4月から1.3ポイント上昇した。

前月を上回ったのは3カ月連続。直近で新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月(42.6)以来の高い水準となっている。

燃油代や電気料金の高騰といった懸念材料はあるが、コロナ禍の感染拡大を受けた行動規制が緩和され、経済活動が正常化したことが景況感の改善につながっている。

全業種ベースの景気DIは5月が前月比0.8ポイント上がって45.4で同じく3カ月連続改善した。TDBは今後の景況感について「コストアップなど下振れ要因を抱えつつも、緩やかな回復傾向で推移するとみられる」と展望している。

運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「大手自動車メーカーの生産が上がってきたため、自動車部品、部材等の動きも大きくなっている」(普通倉庫)と明るい声が聞かれた半面、「(トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が危惧されている)2024年問題が大きく顕在化し、業績に与える影響が懸念される」(こん包)、「働き方改革の一環としての労働時間の制限で運行回数が減り、売り上げが激減してしまう。また、輸送料金の値上げは、大手企業が実施しないと中小企業も実施できない」(一般貨物自動車運送)と、2024年問題に関係した懸念も出ていた。

調査は5月18~31日、全国2万7930社を対象に実施、40.9%の1万1420社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は503社が回答した。

(藤原秀行)

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