大日本印刷とUltimatrust、AMRの経路最適化するアルゴリズムと導入効果検証可能なシミュレーターを開発

大日本印刷とUltimatrust、AMRの経路最適化するアルゴリズムと導入効果検証可能なシミュレーターを開発

搬送時間を3割削減、23年度中のシステム開発・提供目指す

大日本印刷(DNP)と、デジタルツインプラットフォーム「Wisbrain(ウィズブレイン)」を展開するUltimatrust(アルティマトラスト)は6月23日、物流倉庫や飲食店などで稼働する自律走行搬送ロボット(AMR)の経路を最適化するアルゴリズムと、その導入効果を検証できるシミュレーターを開発したと発表した。

両社は物流倉庫や製造・物流関連の企業、飲食業界などに向けて、PoC(概念実証)などを通じてロボット導入による効果検証を示していくほか、2023年度中に、本アルゴリズムを用いたAMRの経路最適化システムを開発、提供することを目指す。

「Wisbrain」は、設置した多様な情報機器から取得したデータを集約し、AIで高精度な解析を行うシステム。今回はこのシステムに、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組み合わせ最適化問題」を高速で処理できる「DNPアニーリング・ソフトウェア(DAS)」を搭載。DASは量子コンピュータで用いられるアニーリング手法を、GPU(画像処理半導体)を利用した並列計算により高速化している。

各技術を駆使することで、常に変化するAMRや障害物などの位置を把握して最適な移動経路を短時間で計算、AMRの稼働率を高められると見込む。また、シミュレーターにAMRの台数や稼働領域マップ、経由地といった条件を設定すればアルゴリズムの効果を検証することが可能。


(左)シミュレーションのイメージ (右)各ロボットの移動距離を示したシミュレーション結果。10台のAMR全てで従来の手法より移動量が下回っていることが見て取れる(プレスリリースより引用)

DNPとUltimatrustは、さらなる社会の持続可能性と生産性の向上に貢献するため、両社の技術を掛け合わせ、複数のロボットを同時に効率良く制御することで、AMRの一層の有効活用を促進する。

DNPのDASを活用し、現場の環境やロボットの稼働状況などの膨大な選択要素の中から、「AMR同士の衝突回避」や「現場全体での高効率なロボットの動作順序」といった条件を加味して、最適な搬送経路を提示。今回の開発に際し、125×200mの倉庫内でランダムに抽出した8つの経由地を各AMRが通るという条件を設定し、10台のAMRをシミュレーター上で稼働させたところ、最短経路を導くために以前より使われているダイクストラ法と比べて、AMRの移動距離が約34%短くなったという。

物流倉庫や飲食店等では、ロボットの経路上に障害物が突発的に発生する場合がありますが、本アルゴリズムは「Wisbrain」を通じてカメラやセンサーから得る障害物の情報を活用し、経路をリアルタイムで再探索できる。障害物の存在を前提に経路を提示するため、衝突や停止の事前防止につながるとみている。

(藤原秀行)

nocategoryカテゴリの最新記事