商船三井、液化CO2船と洋上浮体式設備の設計基本承認を船級協会から取得

商船三井、液化CO2船と洋上浮体式設備の設計基本承認を船級協会から取得

マレーシアの国営エネルギー会社や中国の船舶設計機関と共同開発

商船三井は6月28日、マレーシア国営エネルギー事業会社のPetroliam Nasional(ペトロリアム・ナシオナル、PETRONAS)、中国の船舶設計機関Shanghai Merchant Ship Design & Research Institute(上海マーチャント・シップ・デザイン&リサーチ・インスティテュート、SDARI)と共同開発した液化CO2船に関し、ノルウェーのデット・ノルスケ・ベリタス(DNV)、アメリカン・ビューロー・オブ・シッピング(ABS)の2船級から設計基本承認(AiP)を取得したと発表した。

併せて、PETRONAS、SDARIと共同開発した洋上浮体式設備(FSO)についても、ABSからAiPを取得した。AiPは認証機関が基本設計を審査し、技術要件や安全性の基準を満足すると承認されたことを示す。


授与式の様子

商船三井は2022年2月、PETRONASと覚書を締結し、アジア大洋州地域におけるCCUS(CO2の回収・再利用・貯留技術)バリューチェーン実現に向けた最適な液化CO2輸送に関する共同検討を実施。並行してSDARIと協働し、複数のLCO2船とLCO2 FSOのコンセプトデザインを完了させた。

FSOは洋上で貨物の受け入れ・払い出しを行う浮体設備で、LCO2 FSOはCCUSバリューチェーンで効率的な手段の一つと考えられている。今回のコンセプトスタディ完了とAiP取得により、輸送貨物量・距離、洋上の貯留地付近までの直接輸送など、将来の多様な輸送ニーズに柔軟に対応できるようになると見込む。

今回取得したAiPを通じてPETRONASと協業を加速し、LCO2船やFSOを含む各種技術の開発に引き続き尽力すると同時に、多様なCCUSバリューチェーンを構築し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきたい考え。

(藤原秀行)※いずれも商船三井提供

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