武田薬品と三菱倉庫、ブロックチェーン使った医薬品流通の品質維持システムに運送委託先適正管理の新機能追加

武田薬品と三菱倉庫、ブロックチェーン使った医薬品流通の品質維持システムに運送委託先適正管理の新機能追加

確実な業務遂行を迅速に確認可能

武田薬品工業と三菱倉庫は7月5日、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使い、医薬品の流通過程でより高度な品質管理を実現するためのシステム「ML Chain」に関し、新たに運送委託先を正確かつ効率的に管理するための取り組みを開始したと発表した。

近年、医薬品の流通については、流通過程において高い水準の品質保証を維持し、劣化、破壊等がないよう業務の画一性を推進することが求められている。2018年12月に発出された、医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインでも具体的な方法が定められており、外部委託業務についても常に同ガイドラインが順守され、適格性が保たれていることを製薬企業などが確認することがさらに重要性を増している。

環境変化を踏まえ、両社は医薬品流通における製品の温度管理および位置情報を可視化し、ブロックチェーン技術を用いて信頼性を担保しながら、流通過程で連携する様々な事業者間で共有することによって、より高度な品質管理を実現するためのシステム「ML Chain」の運用を2022年1月に開始した。

品質をさらに確実に確保するため、ML Chainで新たに、三菱倉庫が起用する運送などの外部委託業者の必要なライセンス取得状況や監査記録などを、荷主の武田薬品に対して可視化する機能を実装。武田薬品は、自社製品の運送に関する外部委託業務の品質が確保され、確実に業務が実行されていることを確認できるようになる。

品質確保を目的とした要求水準ルールを実装することで、運送委託先の業務品質が水準を満たす場合には契約の正常履行を、水準に満たない場合には要確認状態を、瞬時に検知することが可能になる。

(藤原秀行)

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