燃料電池トラック、水素タンク設置で荷台スペース減少対応へ車両の規制緩和検討

燃料電池トラック、水素タンク設置で荷台スペース減少対応へ車両の規制緩和検討

経産省官民協議会の「中間取りまとめ」で提唱

経済産業省は7月11日、トラックやバスなど商用車の燃料電池化促進策を議論する「モビリティ水素官民協議会」の議論に関する中間取りまとめを公表した。

協議会に参加している輸送事業者6社にヒアリングした結果、2030年までに水素を用いるFCV(燃料電池車)のトラックやバスに関して一定の導入意欲が見られたと説明。普及に向け、短時間で水素の充填が可能な大規模ステーションの整備が不可欠と指摘し、技術開発の重要性を強調した。

また、トラックの場合、水素タンクの設置で荷台のスペースが1m減少し、積載量が減少してしまうと課題と指摘。今後1年以内に、車両に関する規制緩和が必要かどうか検討するよう提唱した。


ヤマト運輸が5月に走行実証を始めたFC大型トラック

中間取りまとめは、協議会に参加している輸送事業者6社は30年までにFCVの小型FCV・BEV(バッテリー式電気自動車)は合計で5700台程度、大型FCV・BEVは60台程度の導入意欲があると説明。「今後、より広範囲な輸送事業者、荷主などの商⽤⾞ユーザーの需要を確認しながら、その需要を拡⼤していくことが重要」と整理した。

改正省エネ法で一定以上の規模がある荷主企業や輸送事業者らに再生可能エネルギー利用を義務付けていることも踏まえ、政府としてFCトラックの導入を支援していくよう訴えた。

併せて、水素タンク搭載で荷台のスペースが減る問題については、トラックの全長や幅、高さを定めている一般的制限値を超えると特殊車両に該当し、事前に道路を走行可能かどうか確認する制度があることに言及。同制度がオンラインで確認できるようになったのを踏まえ、「一般的制限値の規制緩和が必要かどうかも踏まえて検討していく」と明言した。

(藤原秀行)

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