【現地取材・動画】花王、25年にもドローン物流開始目指す

【現地取材・動画】花王、25年にもドローン物流開始目指す

兵庫・養父市で実証実験公開、自社製品を地方エリアに確実配送図る

兵庫県と公益財団法人新産業創造研究機構(NIRO)、花王は9月28日、兵庫県養父市で、ドローン配送の実証実験をメディアに公開した。

兵庫県とNIROが展開している、民間企業の新たなビジネスモデル創出を後押しする「ドローン社会実装促進実証事業」に花王などが応募、採択された。花王はドローンを活用した物流を実現し、自社の製品を少子高齢化に悩む地方エリアへ確実に届けられるようにしたい考え。トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」に対応する狙いもある。

 
 

花王は2025年にも本格的にドローンを活用することを目指している。現状では自社グループで展開している物流ネットワークと組み合わせ、自社製品を保管・入出荷する物流拠点「ターミナル」に重量物を運搬できるドローンの発着拠点(デポ)を併設し、山間部に設置しているダークストア(ラストワンマイル配送拠点)にドローンで花王製品を届けることなどを想定している。

この日の実証実験は、市内のホームセンター「スーパーセンタートライアル養父店」から直線で2km離れた養父中学校まで、山を越える形でドローンが自律飛行し、花王のハンドソープなどを無事届けた。

ドローンが中学校の中庭に設けた専用の離着陸設備「ドローンポート」に着陸し、商品を切り離すと、自動的に商品がUGV(自動配送ロボット)に搭載されて運んだ。ドローンが中学校上空に姿を現すと、待っていた生徒たちから大歓声や拍手が上がった。


養父中学校の中庭に着陸するドローン


ドローンポートで荷物を切り離す


UAVに荷物を自動的に搭載

 
 


離れた場所で待っていた校長先生や生徒の元に届ける

実験はNTTコミュニケーションズやプロドローン、ブルーイノベーション、養父市も協力。NTTコミュニケーションズは上空の通信環境整備などを担い、15kgの荷物を搭載できるプロドローン製の大型ドローンを採用。ブルーイノベーションがドローンポートの準備やドローンの運航管理システムの提供などを手掛けた。

花王は今回の実験の成果を踏まえ、今年11月には岐阜県中津市で複数のドローンが同時に編隊を組んで飛行する「群輸送」の実証実験を行い、輸送力向上を図ることができるかどうかをチェックする予定。さらに、2024年中に国内でより長距離で、50kgの重量の荷物を無人で輸送する実証にもチャレンジすることを計画している。実際にドローンを使うエリアは、トラックで運ぶより効率が良くコストを抑えられる場所を選定したい考えで、養父市もその候補の1つに入っているという。

花王の担当者は、将来は自社製品だけでなく、他社の製品も混載したドローンの共同配送を展開したり、輸送可能な重量を伸ばすために「空飛ぶクルマ」を使ったりすることも検討する可能性があることを示した。

(藤原秀行)

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