【帝国データ情報】物流向け人材派遣のマックスアルファと関連会社が自己破産申請、負債19億円

【帝国データ情報】物流向け人材派遣のマックスアルファと関連会社が自己破産申請、負債19億円

コロナ禍の巣ごもり需要で利用伸びるも、人件費上昇などで低収益続く

帝国データバンクが11月10日明らかにしたところによると、物流向け人材派遣のマックスアルファ(東京都立川市)と関連会社のプラスアルファ(東京都渋谷区神泉町)の2社が同日、東京地方裁判所に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。

負債はマックスアルファが約8億5400万円(2022年12月期末時点)、プラスアルファが約10億4800万円(23年3月期末時点)で、2社合わせて約19億200万円。

マックスアルファは2009年6月発足。東京の多摩地区や埼玉など首都圏のアマゾンや楽天といったインターネット通販大手の倉庫や物流センターに対する人材派遣を主力事業として、大半の派遣人員は物流倉庫内での検品・荷役・運搬・管理などの業務を行っていた。

新型コロナウイルス禍前の19年12月期の年収入高は約25億6700万円だったが、コロナ禍の巣ごもり需要を背景に業績を伸ばし、直近の22年12月期は2倍相当の約51億6700万円を計上。近時の登録スタッフ数は約2万5000人で、常時1500人程度が派遣先で就業していた。

しかし、年収入高が増える一方で人件費の上昇などから収益率は低下し続け、資金繰りは徐々に悪化。社会保険料の滞納が続き、預金を差し押さえられていた。さらに、派遣スタッフに対する賃金の未払いが生じる事態が発生。その事実がSNSなどに数多く書き込みされ、信用不安が拡大していた。

プラスアルファは1994年11月創業し、2008年4月に法人改組した。コールセンターや事務センター向け人材派遣を主体に手掛け、23年3月期には年収入高約35億6500万円を計上していた。

(藤原秀行)

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