日本郵船の新型タグボートにJERAとレゾナックが燃料アンモニア供給へ

日本郵船の新型タグボートにJERAとレゾナックが燃料アンモニア供給へ

海運領域のゼロエミッション化目指し連携、共同検討開始

日本郵船は12月13日、東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が折半出資する発電会社JERA、化学大手のレゾナックと、世界初となる燃料アンモニアの船舶への供給に向け、12月12日付で共同検討に関する契約を締結したと発表した。

JERAが発電用に使うことを目指しているアンモニアを、レゾナックと協力し、船舶燃料として日本郵船に提供することを想定している。

日本郵船は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業として、アンモニア燃料国産エンジンを搭載したタグボート「A-Tug」の研究開発を他のパートナー企業と連携して進めている。

その一環として、来年6月に予定しているA-Tugの竣工に合わせて、世界で初めてとなる燃料アンモニアの船舶への安全・安心な供給を図る。


「A-Tug」のイメージ(日本郵船提供)

共同検討の具体的内容は燃料供給の安全な運用方法確立、港湾地区への燃料アンモニアの輸送・受け入れ体制の構築、船舶用燃料供給に関するルール形成に向けた関係各所への働き掛けなどを想定している。

海運業界では船舶用燃料を従来の重油から液化天然ガス(LNG)、さらに水素やアンモニアといった次世代のゼロエミッション燃料に転換する研究開発が進んでいる。アンモニアは燃焼してもCO2を生み出さないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として世界的に期待が高まっている。

これまでアンモニア燃料エンジンを搭載した船舶へアンモニアを補給した事例はなく、3社は共同検討で普及促進につなげたい考えだ。

(藤原秀行)

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