自社ブランドで最大規模、関西圏広域カバー可能と見込む
東急不動産は1月16日、大阪府茨木市で新たな物流施設「LOGI’Q(ロジック)南茨木」が1月10日に竣工したと発表した。
地上4階建て、延床面積は16万1538㎡で、「LOGI’Q」シリーズとしては過去最大規模という。全体の約80%で賃貸借の成約済み。
関西圏で配送効率の高い北摂エリアに立地し、名神高速道路の吹田ICから約2km、近畿自動車道の北摂津ICから約3kmに位置。広域をカバーできる立地と見込む。
トラック通路とは別にテナント従業員が安全に徒歩で移動できる外部歩廊を設け、「歩車分離」を徹底。同社によれば、関西圏最小区画となる375坪の分割利用から最大約6000坪の1フロアオペレーションまで幅広いニーズに対応できる設計を採用した。
さらに低床倉庫、冷凍冷蔵対応倉庫、少量危険物対応倉庫、ローカル5G(次世代高速通信)実装倉庫と多様なニーズに幅広く対応できるよう配慮している。
(いずれも東急不動産提供)
休憩室・売店・シャワー室・礼拝室などの共用部アメニティーを揃え、働きやすい環境の整備に注力。24時間対応の非常用発電機を設置し、BCPにも対応できるようにしている。
環境配慮として、屋根上に約4.8MWの発電能力を持つ「リエネLOGI’Q南茨木太陽光発電所」を導入。生み出した電力は自家消費する。屋根上太陽光発電の電力と、自社再生可能エネルギー発電所由来のトラッキング付非化石証書を組み合わせ、使用電力を100%再生可能エネルギーで賄う計画。
発電した電力は東急不動産として初めて、近隣の自社商業施設「みのおキューズモール」(大阪府箕面市)への自己託送を予定している。みのおキューズモールの年間消費電力の約20%を賄える電力量を想定している。
他にも各種省エネ設備の導入や環境配慮設計を施し、「LOGI’Q」シリーズでは初となる「CASBEE」Sランク、「BELS」☆☆☆☆☆、『ZEB』と各種環境認証で最高評価を取得する予定。
併せて、茨木市との間で災害時一次避難場所としての使用に関するグリーン協定書を締結する予定。大規模災害時に一時避難場所として敷地の一部を地域に開放するほか、発電所には蓄電池を併設し、大規模災害時には一時避難場所で使用する電力を屋根上の本発電所から供給できるようにしている。
停電時にも再生可能エネルギーを一部使用する仕組みを実現し、再エネ化とBCP対策を両立した施設にしている。
■LOGI’Q南茨木 物件概要
所在地:大阪府茨木市蔵垣内1丁目53番
用途地域:工業地域
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
敷地面積:64,509.91㎡(19,514.24坪)
延床面積:161,538.67㎡(48,865.45坪)
建物構造:S造 4階建
着工:2022年6月1日
竣工:2024年1月10日
設計施工:西松建設株式会社
事業主:合同会社ファンファーレ(土地SPC)、合同会社ユニーク(建物SPC)
コンストラクションマネジメント:株式会社山下PMC
トラックバース:336台
駐車場:普通自動車255台(EV急速充電器3台設置)、トラック待機場21台
バイク置き場:42台
駐輪場:156台
(藤原秀行)