豊⽥⾃動織機のサプライチェーン関連企業は5319社、うち「一般貨物自動車運送業」は173社

豊⽥⾃動織機のサプライチェーン関連企業は5319社、うち「一般貨物自動車運送業」は173社

帝国データバンク調査で派⽣売上⾼1兆2621億円、不祥事の影響懸念

帝国データバンクは1月31日、フォークリフト用エンジンなどで性能試験の不正が判明した豊田自動織機に対し、部品などの物やサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴と取
引規模を、2023年時点のデータを基に推計した結果を公表した。

豊田自動織機を頂点とするサプライチェーンに関連している企業(売上高の1%以上を依存している企業)は国内で5319社に上ると指摘。同社と直接取引のある「Tier1」は959社、2次下請けの「Tier2」が3387社、「Tier3」が898社に達した。

各企業に派生する売上高合計は1兆2621億円と見積もっており、特に直接Tier1企業にもたらされる売上高は1兆552億円と規模が大きいことが分かった。

特に同社が所属するトヨタ自動車グループのおひざ元の愛知県に、サプライチェーン企業の5割、派生する売上高の7割が集中しているという。

今回の不祥事では、当該エンジンを搭載したフォークリフトや車両の生産が一時中止に追い込まれており、サプライチェーンに関連する企業への影響が懸念される。

豊田自動織機のサプライチェーン企業を都道府県別に見ると、「愛知県」が2666社で最も多く、全体(5319 社)の50.1%を占めた。さらに愛知県の企業に派生する売上高合計は推計 8878億円で、豊田自動織機がサプライチェーン企業全体にもたらす売上高の70.3%が同県に集中していることが浮き彫りとなった。

以下、大都市圏の「東京都」(321社、1218億円)、「大阪府」(298社、279億円)と続いた。愛知県に近接する「静岡県」(221社、370億円)、「長野県」(178社、225億円)、「岐阜県」(177社、165億円)が上位を占め、中部経済圏にサプライチェーン企業が集まっていることも示した。

業種別では「製造業」が最も多く3030 社(構成比57.0%)、派生する売上高は推計9105億円に達している。より細かく見ると、社数は「自動車部分品・付属品製造業」が211社でトップ。他にも「金型・同部分品・付属品製造業」や「金属プレス製品製造業」「電気機械器具卸売業」など、製造に関連した業種が上位にランクインした。

また、資材や部品を運搬する「一般貨物自動車運送事業」や「受託開発ソフトウェア業」など周辺業種も多かった。

(藤原秀行)※いずれも帝国データバンク資料より引用

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