大和ライフネクスト、倉庫・物流施設の「リアルタイム遠隔管理サービス」開始

大和ライフネクスト、倉庫・物流施設の「リアルタイム遠隔管理サービス」開始

災害など迅速に状況把握可能に

大和ハウスグループでマンションやオフィスビルなどの建物管理を担う大和ライフネクストは3月13日、非常駐で管理を受託する倉庫・物流施設向けに、BCP対策の強化を目的とした「リアルタイム遠隔管理サービス」の提供を開始すると発表した。


リアルタイム映像イメージ(大和ライフネクスト提供)

同社は分譲・賃貸マンションやオフィスビル、商業施設、ホテルなど多種多様な建物の維持管理業務を受託。働き手不足の解消に加え、働き方の多様化にも対応するため、従来の人手による業務に代わる遠隔管理サービス仕様の研究を進め、建物管理業務のIT化を促進している。

近年のEC市場の拡大に伴い、倉庫・物流施設管理件数は増加傾向にあり、全国で181件(2023年12月末時点)を受託済み。一方、倉庫・物流施設は敷地や建物自体が広大な上、施設の用途によっては公共交通機関が少ない場所に立地しているケースも多く、特に災害などが発生した際は道路交通状況などにより被害状況把握が困難となる場合が想定され、一次対応の遅れのリスクが課題となっていた。

有事の際に一次対応が遅れることは、オーナーやテナントの事業継続を妨げる可能性があるため、遠隔地からのリアルタイム映像と同社の管理スキームを組み合わせ、非常駐管理の施設でも建物担当者の到着を待たずに現地の状況を確認可能でオーナー、PM(プロパティマネジメント)会社、社内関係者に被害状況を速やかに一次報告できる新たな仕組みを構築した。

遠隔地からのカメラの画角操作・制御やズームが可能な「PTZカメラ」を採用。過去30日の録画映像を遠隔で確認できるほか、通信回線を内蔵し、新たにインターネット回線を契約することなくサービスの提供・運用を始められる。

新サービスを導入することで、施設にとってBCP強化策の一環となるほか、カメラ映像の分析により日常管理業務の効率化を図ることができると見込む。

今後はITを活用した各種サービスとの組み合わせを検証することで時代に即した建物管理の在り方を追求し、管理品質向上を図る。

効果検証(岩手県のマルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻」)

東北地方特有の雪による災害に備えるため、積雪が本格化する前の2023年11月に新サービスを導入。
導入効果:
・カメラ映像の遠隔確認により積雪状況をリアルタイムで確認、融雪剤散布・除雪車出動について最適な判断が可能となった。
・建物担当者による現場巡回について、カメラ映像を活用することで天候などの現場状況を考慮した効率的な実施体制を構築できた。
・オーナー・PM会社に対してもリアルタイムにカメラ映像を共有できる仕組みを構築し、資産(建物)状況確認のための移動時間やコストの削減に寄与できた。

(藤原秀行)

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