老朽化進む首都高の羽田トンネル、25年度に更新工事着手目指す

老朽化進む首都高の羽田トンネル、25年度に更新工事着手目指す

運営会社が新中計公表、点検にドローン活動など効率化も

首都高速道路株式会社は4月10日、2024~26年度の3カ年を対象とする新たなグループの中期経営計画を公表した。

サステナブルな社会の実現と首都高グループの持続的な成長の両立に向け、10年後の理想とする姿を描いた上で、実現に必要な施策を盛り込んでいる。

多様化する利用者のニーズや首都圏の都市構造変革、AI・情報通信といった新技術の進展など、社会環境の劇的な変化に伴う課題に対応するため、4つの基本指針と6つの重要テーマを掲げている。

具体策として、インフラとしての首都高の健全性を維持し、安全な走行を担保するため、老朽化が進む路線の更新を着実に進める方針を表明。高速道路の地下化を進める東京・日本橋エリアで2024年度に本体工事へ着手することや、通行量が多く劣化が進んで抜本的な対策が急務となっている東京・羽田線の羽田トンネルの更新工事に25年度着手することなどを目標に設定している。


羽田トンネル(新中計資料より引用)

併せて、維持管理の効率化促進策で、点検にドローンを取り入れることや先進的な補修技術の開発を継続することなどを列挙。適時・的確な交通情報の提供などで渋滞により利用者全体が損失したトータルの時間を22年度の2270万台・時から2200万台・時まで抑えることも示している。

このほか、収益拡大へ国内外で道路維持関連技術のコンサルティングなど新たな領域の拡大を図ることや、災害時に速やかに通行を再開できる技術の開発を推進することなども打ち出している。

(藤原秀行)

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