次世代バイオディーセル燃料「サステオ」活用、消費者からもコスト負担募る
佐川急便とユーグレナは4月24日、ユーグレナ製の環境負荷が低い次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を佐川の配送トラックに使い、温室効果ガス排出削減を図る「サステナブル配送プロジェクト」で約4.11tのCO2排出削減を達成したと発表した。
両社によると、削減した排出量は樹齢40歳の杉の木が1カ月に吸収できるCO2量の約5500本分に相当するという。
サステオは原料の藻類や植物が成長の過程で光合成により温室効果ガスを吸収するため、車両を走らせて温室効果ガスを出しても相殺、実質的に排出ゼロとみなせる。
同プロジェクトは両社に加え、ユーグレナの公式通販サイト「ユーグレナ・オンラインショップ」特設ページで製品購入者からもサステオ導入コストの一部を1口1000円で寄付として募り、昨年12月末の募集完了までに集まった賛同数は845口に上った。集まった支援額と同額を両社からもそれぞれ拠出した。
自社のサプライチェーンで関係するステークホルダーと組んで温室効果ガス排出削減を図る「カーボン・インセット輸送」の結果は第三者機関の検証を受け、3月31日付で検証声明書を取得した。
佐川のトラックにサステオを給油している様子
支援額と両社から拠出したサステオ導入費用を合わせ、佐川の浜松営業所(静岡県浜松市)の車両約100台で約8000リットルのサステオを利用した。また、プロジェクトの排出削減効果について、第三者機関の検証を受けることで透明性を確保した報告書を佐川からユーグレナ宛てに発行した。
サステオはバイオマスを原料に活用。化石燃料由来の燃料と相対的に比較した場合にCO2削減効果が期待できる。分子構造が石油由来の軽油と同じ炭化水素のため、軽油を使用する機械や車両でそのまま利用可能。
サステオ
(藤原秀行)※いずれも両社提供