シンガポールから3カ月間、安全性など検証
日本郵船は5月27日、自社で初めて、5月2日に大型原油運搬船(VLCC、 Very Large Crude Oil Tanker)「TENJUN(天順)」によるバイオ燃料の長期使用試験航行を開始したと発表した。
本船はシンガポールでバイオ燃料の供給を受けた後、約3カ月間にわたって航行し、バイオ燃料を長期間使用した際の安全性や安定調達などを総合的に検証する予定。
これまでばら積み船や自動車専用船、液化石油ガス(LPG)船へバイオ燃料を供給、短期間から長期間にわたる安全航行のトライアルを実施してきた。VLCCでの長期試験航行は初めて。
バイオ燃料による安全航行の実績を積み上げ、バイオ燃料の開発促進に資するとともに海上輸送での脱炭素化を推進。自社グループが目標に掲げている、温室効果ガスを2030年度までに21年度比で45%削減することを達成していきたい考え。
バイオ燃料は廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、燃焼時のCO2排出量は実質ゼロとみなされる。重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期でGHGの排出を削減する有力な手段と期待が高まっている。
(日本郵船提供)
本船概要
全長 : 333.00メートル
全幅 : 60.00メートル
総トン数 : 159,927トン
載貨重量トン数 : 302,108トン
建造年 : 2008年
造船所 : 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド造船所(広島県呉市)
(藤原秀行)