25年10月までに方向性設定、将来のプロジェクトで利用可能な成果物作成目指す
将来宇宙輸送システムは8月1日、高頻度な宇宙輸送サービスの実現に必要な「次世代型宇宙港(NSP、New Space Port)」のあり方を検討するワーキンググループ(NSP-WG)を開始すると発表した。
参加しているのは同社と日本郵船や商船三井、三菱倉庫、三井不動産、鹿島など計18社・1大学。
NSP-WGは陸上に加えて洋上も検討の範囲に加え、斬新かつ実用性の高い宇宙輸送拠点を検討する。
将来宇宙輸送システムは「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」というビジョンを掲げ、文部科学省SBIRフェーズ3事業「民間ロケットの開発・実証」の採択を受けて、2028年3月までの人工衛星打ち上げ実証に向けた研究開発を進めている。
最終目標は「完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)」を用いた高頻度宇宙輸送を2040年代に行うことと設定。目標の実現には宇宙輸送を支えるための拠点が欠かせないという。
NSPは高頻度の宇宙輸送を支えるための拠点として、ロケットの打ち上げや着陸にはじまり、旅客、見物客、施設利用者など幅広い目的で利用されることを目指し、モールなどの商業施設、ライブ会場などのエンタメ施設のほか、エネルギー施設や災害対策施設など、宇宙輸送に関わる幅広い施設との組み合わせを想定している。
ワーキンググループのメンバーは25年10月までに検討の方向性を定めた上で概略の実現性評価(フィージビリティスタディ)を行い、将来建設プロジェクトが組成される場合に利用できるような成果物を作成することを念頭に置いている。
(藤原秀行)※いずれも将来宇宙輸送システム提供