Datumix、「AI&デジタルツインによる需要予測と在庫最適化」試験運用パッケージの販売開始

Datumix、「AI&デジタルツインによる需要予測と在庫最適化」試験運用パッケージの販売開始

サプライチェーンの課題解決目指し、物流DXを強力サポート

生産現場などを仮想空間上に再現する「デジタルツイン技術」で物流DXを支援するDatumix(データミックス、東京都豊島区東池袋)は8月26日、サプライチェーンが抱える諸課題に対応する「”AI&デジタルツインによる需要予測と在庫最適化”の試験運用パッケージ」の販売を同日開始したと発表した。

企業のサプライチェーン管理における在庫最適化を支援し、収益性向上やコスト削減をサポートする。

 
 

従来の在庫管理ソフトウェアは、生産性や効率の最大化に重点を置いているが、在庫最適化は潜在的な損失と利益のバランスを調整する複雑なプロセスであり、最適化が難しい理由の一つに、需要のランダム性から100%の精度で予測することが困難なことがある。供給側の不確実性も大きく、経験や勘に頼った直感的な判断が効果を発揮しにくいことも課題となっている。

今回の試験運用パッケージでは、2つの異なる時間粒度で最適化を行い、業務の属人化を回避し、キャッシュフローの改善、顧客満足度向上、利益増加につなげることを想定している。

様々な在庫種類がある中で、最もコストのインパクトが大きい安全在庫を複雑なサプライチェーンネットワークのどこに配置するべきかを最適化し、在庫切れによる機会損失や過剰在庫による廃棄ロス損失、キャッシュフロー悪化の最小化、需要の不確実性とのトレードオフ実現を目指す。

プッシュ型の需要予測の見込みに基づき、あらかじめ在庫を貯めて準備しておく地点と、プル型のランダム性のある需要が発生した時点で消費される在庫地点の境界線となる通称「デカップリングポイント」の最適ロケーションを割り出す。

需要側ではSNSの影響や異常気象によって急な需要変動が日常よく発生し、供給側では設備の故障や外部環境の影響で遅延が生じている。また、サプライヤーがいる地域で自然災害が起きたり、商品準備が整っているにも関わらずストライキにより港や輸送路線が閉鎖されたりするケースのほか、地政学的なリスクで輸送ルート自体が通行止めになるケースもある。

サプライチェーン計画における意思決定の時間軸が長ければ長いほど最適化の余地が大きく、”四半期〜年”粒度での中〜長期のサプライチェーンネットワーク構造最適化と、この安全在庫配置の2つを合わせ、サプライチェーンのコストの80%が決まるとされている。

 
 

新製品は商品や在庫拠点ごとに、以前は経験やエクセルを使って行っていた発注タイミングと発注量の計算を在庫コストと発注コスト(製造業ではセットアップコスト)のトレードオフを常に最適化させるように自動化。

具体的には販売実績や需要変動、予測誤差などのデータを基に基準在庫レベルを計算し、AI&デジタルツインによるシミュレーションで最適な在庫ポリシーやポリシー変数のシナリオ分析を実現する。

また、マルチエシェロン(多階層)在庫最適化の安全在庫量と合わせて、各拠点の在庫状況をリアルタイムで監視し、補充計画や在庫計画のパフォーマンスを評価できるようにする。このアプローチにより、発注のタイミングや量を自動的に最適化し、在庫の効率的な管理を実現することを考えている。

(藤原秀行)※いずれもDatumix提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事