日本以外の13言語に対応、製造業や物流などの“ノンデスクワーカー”サポート強化
カミナシは8月27日、製造業や外食、物流、建設などの現場従業員の業務効率化や負荷軽減をサポートする新サービス3種類を2024年度中に始めると発表した。
第1弾として同日、外国人従業員も現場で働きやすくなるよう管理者とのコミュニケーションを促進するシステム「カミナシ従業員」の提供を開始した。管理者と従業員の間だけでなく従業員同士でも連絡し合える。
会社からの業務連絡事項を一斉で全従業員に伝達、共通したり、給与明細をスマートフォン経由で配布したりできるほか、今秋にはリアルタイムで管理者と従業員らがテキストでやり取りできるチャットや、投稿する文章をAIが自動的にチェックする校正の機能も追加する予定。
日本語以外にも英語や中国語、韓国語、ベトナム語など主要な13言語に対応し、メッセージを入力すると自動で翻訳するため、新たに導入される育成就労制度で来日する外国人の労働者も使えると見込む。カミナシは2026年7月までにユーザー数10万人の獲得を目指す。
サービスのリリース時点で既にフジッコや大成、「とんかつまい泉」を運営する井筒まい泉など39社が導入を決定しているという。
サービスのイメージ。画面はベトナム語で、入力すると自動で翻訳する
このほか、現場の機械・設備のトラブルや修理の履歴などをクラウドベースで記録、適切に管理できるよう後押しする「カミナシ設備保全」、現場従業員への教育・研修を容易に行える「カミナシ教育管理」も順次提供する。
カミナシは現在、現場の衛生管理記録などの各種帳票をデジタル化する「カミナシレポート」、AIを使い製造現場の部材などの個数を自動でカウント、検査する「カミナシCountAI」を展開している。
新たに3製品を順次リリースし、現場のペーパーレス化に加えて従業員や教育管理、設備管理の効率化にも踏み込み、現場の“ノンデスクワーカー”の就労環境を大幅に改善、カミナシが掲げる「まるごと現場DX構想」を実現していきたい考え。
製品が増えるため、各製品を共有して使えるIDの提供も開始した。
東京都内で同日記者会見したカミナシの諸岡裕人代表取締役は「机上の空論で満足せず、現場を見て一次情報を取得することを重要してきた。現場で働くノンデスクワーカーのためのデジタルインフラを目指すことを掲げ、これからも走っていきたい」と抱負を述べた。
(藤原秀行)