小型の薄型荷物配達委託見直しめぐり
ヤマト運輸が日本郵便に対して小型の薄型荷物配達の委託方針見直しを提案したのに関連し、日本郵便が予定通り委託が成されなければ損害が生じると主張、ヤマトに賠償を求めて近く東京地方裁判所に提訴する方向で検討していることが分かった。
日本郵便は訴訟に踏み切った場合、委託される配達をカバーするための設備や人員配置に要する投資額、委託を受けて見込んでいた利益を補償するよう求める見通し。
両社は2023年6月、「物流2024年問題」や人手不足などの課題に対応するため、協業する方針を発表。住戸のポストに直接投函できる小型の薄型荷物やメール便は両社がそれぞれ集荷した上で、配達は日本郵便が担う方針を示していた。
このうち小型の薄型荷物に関しては、ヤマトの「ネコポス」から、23年10月に発売した「クロネコゆうパケット」へ切り替え、25年3月までに全ての配達業務を日本郵便に移行する計画を立てている。
しかし、ヤマトは今年11月、事前に想定していたよりも配達に時間を要していることなどを理由に、いったん配達委託のスケジュールを見直し、委託を一時的に止めることを打診。日本郵便は不満を表明し、見直しに応じない意向を示しており、協議は平行線をたどっている。
ヤマトは12月18日に声明を発表し、配達委託スケジュールの見直しを日本郵便に提案したことを認めた。一方、日本郵便親会社の日本郵政の増田寛也社長は12月18日の定例記者会見で、配達に時間を要するのは両社で合意済みだったと説明、反論した。
(藤原秀行)