老朽化や人手不足、技術継承の課題解決し工場の安定稼働支援
カミナシは2月3日、工場や施設の機械設備を最適な状態で維持・管理する設備保全業務をデジタル化し、安定稼働を支援するクラウドサービス「カミナシ 設備保全」の提供を同日、開始したと発表した。
昨今の製造業の現場は技術者不足で設備保全の質低下が懸念されている。設備自体の老朽化も進んでおり、カミナシは設備のメンテナンスコスト増加や突発的な故障リスクの拡大が顕著で企業の安定的な操業を脅かしていると判断、新サービスの提供にこぎ着けた。
新サービスは設備ごとに作成するカルテに故障履歴や保全計画の記録を一元管理することで、データを基に適切な保全活動を進められるようにし、設備の故障や停止を最小限に抑えることを目的としている。
2030年6月までに登録設備数10万台を目標に設定している。今後、部品などの予備品管理やダッシュボード機能の開発を推進し、設備保全にまつわる業務を一気通貫で完結できるサービスの確立を目指す。
設備台帳、保全記録、異常報告など、設備保全に関連する情報を一つのシステム上で管理できる。QRコードを活用した現場での簡単な記録・報告や、設備を軸に保全記録や報告履歴をひも付けて一元管理することで、効率的な保全業務を実現できると見込む。
モバイル端末があれば、製造ライン担当者からの異常報告や設備保全担当者による作業記録も現場で簡単に記録できるため、現場と設備保全担当者とのスムーズな情報共有が可能になるとみている。
β版で利用した企業では、「カミナシ 設備保全」の活用により、記録数が従来の4倍に増加したという。
さらに、現場からの不具合報告や日常点検の記録のほか、設備保全担当者による保全記録などのデータを蓄積することで、設備ごとの故障件数や故障理由ごとの頻度、コスト分析、平均修理時間(MTTR)などを分析できるようになり、戦略的な予防保全の実現につながるとみている。
カミナシが提供している、動画マニュアル・研修システム「カミナシ 教育」や、日々の設備点検結果を帳票システムに記録できる「カミナシ レポート」と機能連携させる予定。
(藤原秀行)※いずれもカミナシ提供