トラック1台当たりエネルギー消費量7％削減目指す
ウエルシア薬局、PALTAC、センコー、日立製作所の各社は2月26日、ウエルシアのサプライチェーン全体の配送効率化とエネルギー消費削減に向け、共同で情報連携基盤と物流センターの入荷自動化設備を導入したと発表した。
PALTACと取引関係にあるエステー、大塚製薬、牛乳石鹼共進社、ユニリーバ・ジャパン・カスターマーマーケティング、愛宕倉庫、大塚倉庫も協力している。
2024年12月～25年1月の実証実験を経て、2月に物流拠点「ウエルシア西関東RDC」（神奈川県綾瀬市）で本格的な運用を始めた。同拠点は三井不動産とIHIが共同で開発した物流施設に入居し、センコーが運営に携わっている。
ウエルシア西関東RDCが入居している物流施設の外観
内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) スマート物流サービス」の「物流情報標準ガイドライン」に準拠して構築している物流・商流データ基盤で収集・標準化した各メーカーからの事前納品通知情報（確定入荷数や荷姿、納品車両など）を、メーカーへの発注から店舗への納品までのサプライチェーン全体にわたり、日立が手掛ける「配送情報シェアリングプラットフォーム」上で連携させている。
プラットフォームと物流センターをつなぎ、トラックがバースで滞留する時間を減らしたり、検品作業を効率化したりすることを目指している。
さらに、物流センターの入荷業務に移動式協働ロボットを導入し、デパレタイズ・パレタイズを自動化。配送業務の効率向上と、「ウエルシア西関東RDC」に納品する車両が1カ月当たり使うエネルギー量をシステム導入前比で約7%削減することを目指す。
各社は、ドラッグストアの物流センターで物流・商流データ基盤を活用するのは全国で初めてと説明している。
今回の取り組みは、経済産業省・国土交通省の「令和6年度 新技術活用サプライチェーン全体輸送効率化・非化石エネルギー転換推進事業」に採択済み。ウエルシアは他のメーカーからの入荷もカバーしていくほか、ウエルシア全拠点に対しても適用していくことを想定。他のドラッグストアや卸売事業者にも参画を呼び掛けていく構えだ。
取り組みの全体像
（藤原秀行）※いずれも各社提供
