船員のワークライフバランス尊重、作成時間を7割削減見込む
商船三井と富士通の両社は3月12日、AIで船員の配乗計画を最適化するシステムを共同で開発したと発表した。
海運業界は各船員の職位、保有資格、乗船・休暇期間と、船の種類、スケジュールなど様々な条件を組み合わせ、どの船にどの船員を配乗させるかの計画を立てている。商船三井はこれまで、配乗計画担当者が個別管理しているデータベースから条件を抽出し計画をまとめていたため、乗船・休暇期間の調整と計画作業に工数・時間を要していた。
新システムは、配乗のための多様で複雑な要素を加味し、配乗計画の作成を支援。顧客ごとのニーズを踏まえた配乗計画を作成できるほか、年間の乗船期間や休暇付与期間に差が生じないよう平準化。あらかじめ決まっている船員の結婚や出産などのイベント時期に休暇が取得しやすくなるよう配慮する。
船員にとって重要な連続乗船期間の短縮化や十分な休暇付与など、ワークライフバランスに直結する配乗計画の最適化が可能になるとみており、これまで数時間を要していた計画作成時間も、約7割削減できるとみている。
最適化AI配乗計画システムのイメージ(両社提供)
(藤原秀行)