シノプス、西日本のドラッグストアが展開する「四国青果物流合理化協議会」に参加

シノプス、西日本のドラッグストアが展開する「四国青果物流合理化協議会」に参加

実証で食品ロス25%、発注作業50%、配送トラック最大47%削減を達成

シノプスは7月3日、西日本でドラッグストアを展開する企業が立ち上げた任意団体「四国青果物流通合理化協議会」に参画したと発表した。

同協議会が農林水産省の補助事業(令和5年度=2024年度=物流生産性向上推進事業)に採択され、需要予測型自動発注の導入による青果物の発注業務効率化、食品ロスの削減、需要予測データを活用した物流負荷の軽減を目指す実証実験を2024年10月~25年1月に実施。シノプスの需要予測型自動発注システム「sinops-R」(シノプス アール)を活用した。

その結果、食品ロスの改善、発注時間の削減、配送トラックの削減などの効果を確認できたという。


実証実験を行った店舗の青果売り場

鮮度劣化が早く品質保持期間の短い青果物は、スーパーマーケットやドラッグストアでは熟練者による日々のきめ細やかな発注と迅速な納品が不可欠になっているが、小売業は慢性的な人手不足からベテランの発注担当者が減少している上、青果の発注から納品までのリードタイムが短いためら、配送効率よりも納期が優先されることも多く、その結果、積載効率の低いトラック手配が常態化している。

青果物は特性上、食品ロスが発生しやすく、仲卸や小売の過剰な発注は食品ロスにつながる恐れがある。多くの小売業は過去の販売実績に基づいた自動発注システムを導入しているものの、青果物は季節や気候により品質・価格が変動しやすく、明確な賞味期限が存在せず、見た目の変化や熟度といった個体差によって売れ行きが変わるため、過去の実績データだけでは正確な需要予測が極めて困難なのが実情。

青果物の需要予測・自動発注化の実現が難しいとの見方が関係業界で根強い中、シノプスなどは課題解決に挑んできた。

西日本に60店舗超、ドラッグストアを展開する企業、および、そのドラッグストアへ青果物を卸す仲卸と協同で、青果の食品ロス削減、業務効率化、物流負荷軽減を目的とした2つの実証実験を展開。日配品や総菜など賞味期限の短いカテゴリで実績のあるシノプスの「sinops-R」に、青果用の需要予測ロジックを追加。従来困難とされてきた青果の需要予測・自動発注を実現し、食品ロス削減と業務効率化を図っている。

自動発注の過程で生成した需要予測データを活用することで、川上の仲卸を含めた業務効率化と物流負荷軽減を目指している。

青果の需要予測・自動発注に関しては、「sinops-R」に、青果特有の相場変動や在庫計算などを考慮した青果用の需要予測ロジックを追加開発。ドラッグストアが青果仲卸から仕入れる玉ねぎやジャガイモなどをはじめとした青果15商品を対象に需要予測・自動発注の実証実験を実施した。

協議会は今後3年間で臨時配送トラックを30%削減、流通過程(発注・仕入れ・加工)における所要時間を30%超削減、さらに仲卸・小売段階での食品ロスの30%削減を目標に掲げ、取り組みを継続していく考え。

(藤原秀行)※シノプス提供

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