日通とJR貨物がモーダルシフトで連携、ホンダのEVバッテリーパック長距離鉄道輸送を本格稼働へ

日通とJR貨物がモーダルシフトで連携、ホンダのEVバッテリーパック長距離鉄道輸送を本格稼働へ

CO2排出とトラックドライバー拘束時間を7割短縮見込む

日本通運は9月10日、ホンダ、JR貨物の両社と組み、ホンダ製EV(電気自動車)「N-VAN e:」に用いるバッテリーパックの長距離鉄道輸送の本格稼働を始めたと発表した。

ホンダが推進する環境配慮型物流の強化施策として、茨城県のバッテリー出荷拠点から三重県のホンダ鈴鹿製作所までのルートのうち、宇都宮貨物ターミナル駅(栃木県宇都宮市)~四日市駅(三重県四日市市)の約500kmの区間で鉄道を主な輸送手段に据えたモーダルシフトを実施している。




8月25日の納品式典に参加した(左から)日本通運・佐々木治執行役員モビリティセールス部担当、ホンダ・大澤裕一執行職 生販物流・間接材統括部長、JR貨物・麦谷泰秀執行役員鉄道ロジスティクス本部営業部長

EVバッテリーパックは大型かつ高精度な部品で、安全かつ確実な輸送には専用インフラと高度な技術が不可欠。今回のモーダルシフトはホンダaが積載治具の設計・製作を主導し、日通が輸送計画の策定と現場運用を担い、JR貨物が全国を網羅する鉄道ネットワークと高信頼の輸送体制を提供している。

従来の全区間トラック輸送と比較して、年間約74.5%(約698.5t)のCO2排出量削減を見込んでいる。また、長距離トラック運行に伴うドライバーの拘束時間も約78.8%(約2542時間/年)短縮し、ドライバーの負担軽減にもつながるとみている。

今回の輸送にはバッテリーパックの積載治具の積み降ろしを円滑に行うための特別仕様のコンテナ「Hondaラッピングコンテナ」を新たに採用し、安全性と作業効率の向上を図っている。

(藤原秀行)※いずれも日通提供

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