重複の配達エリアを分担、業務の大幅な効率化図る
トナミ運輸とJPロジスティクスの両社は7月1日、横浜市内に新設した両社初の共同物流拠点「新横浜事業所」を報道陣に公開した。
両社がそれぞれ横浜市内に構えていた特積み事業の拠点を移転・統合。併せて、トナミの物流センターも設置した。両社間で荷物の受け渡しが容易になった利点を生かし、周辺地域でこれまで別々に行っていた配達を、担当エリアを決めて一本化。業務の大幅な効率化を図る。

共同物流拠点の外観(両社提供)

共同物流拠点内の特積み事業用バース。手前にJPロジ、奥にトナミのトラックが並ぶ
新横浜事業所は2階建てで、1階には両社の特積み事業拠点、2階にはトナミの物流拠点をそれぞれ設けている。延床面積は4万3785㎡、倉庫面積は3万6678㎡。トラックバースを30設置し、貨物エレベーター2基と垂直搬送機6基を備えている。
賃貸施設をトナミが1棟借りした上で、その一部をJPロジに転貸する形を取っている。トナミは配達用トラック9台と集配用トラック23台、JPロジは配達用6台と集配用23台を配置している。両社は言及していないが、賃貸施設は野村不動産と総合地所が共同開発した物件。

1階にあるトナミの特積み事業拠点
首都高速湾岸線や横浜横須賀道路のICから3km前後、横浜港から約18kmの場所に位置しており、両社は神奈川・東京への配送と海上輸送の両面で活用しやすいと期待している。
また、2階の床は1㎡当たりの耐荷重が2tあり、一般的な倉庫の1.5tより大きいため、横浜港から陸揚げされる重量物の取り扱いにも向いているとみている。トナミの既存顧客を主対象に、新拠点の特性をアピールしながら提案を進める。

2階のトナミ物流センター。全部で18区画備えている
現地で取材に応じたトナミの佐伯英敏経営企画室長は「特積みセンターと物流センターを兼ね備えた機能型拠点であり、全国配送にも対応できる。グループの共同拠点の第1弾として、ノウハウを蓄積していく」と事業拡大に意欲を示した。

トナミの佐伯室長
岐阜の先行例では1人当たり集荷重量5%アップ
両社が新拠点の「1番の肝」(JPロジ・川上悟常務執行役員)として注力するのが、配達エリアの分担だ。北は横浜市保土ヶ谷区から南は横須賀市や三浦市、鎌倉市、逗子市まで、両社で神奈川県内で配達が重複していたエリアを、荷量や地域特性などに応じて担当を決め、便を集約した。

JPロジの川上常務執行役員
横浜市保土ヶ谷区、南区、港南区、栄区、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市はトナミが、横浜市西区、磯子区、鎌倉市はJPロジが配達を担当する。荷量の多い横浜市神奈川区、中区、金沢区はこれまで通り両社がそれぞれ配達する。

配達エリア分担のマップ。左が新横浜事業所管内、右が近隣支店の取り扱いエリアを含めた神奈川県東部の配達分担(両社提供資料より引用)
2025年4月に日本郵便がトナミを完全子会社化し、日本郵政グループ入りして以降、トナミとJPロジの両社はこれまでにも配達エリアの分担を試みてきた。例えば岐阜市では、両社の物流拠点が隣接していることから一部の便を集約した結果、ドライバー1人当たりの集配重量が5%増加し、労働時間が減少した。ただ、あくまで異なる拠点間の荷物集約のため制約も多く、効果は限られがちだったという。
一方、今回は同一拠点内の集約のため荷物の受け渡しも行いやすいという。両社は「具体的な数値はまだ推計していないものの、より大きな改善効果が得られると見込んでいる」(日本郵便・仲谷重則総合物流戦略部企画役)と期待を抱いている。
併せて、特積みの長距離輸送についても、新拠点から出る荷物については、トナミと日本郵便グループがそれぞれ得意とするエリアで分担する。

日本郵便の仲谷企画役

両社初の共同物流拠点として、ノウハウの蓄積を目指す(イメージ、出入りするトナミのトラック)
施設概要
名称:新横浜事業所
◇特別積合せ事業(1F)
・トナミ運輸㈱ 横浜支店
・JPロジスティクス㈱ 横浜支店
◇ロジスティクス事業(1・2F)
・トナミ運輸㈱ 横浜流通センター
所在地:神奈川県横浜市金沢区福浦3-11-2
敷地面積:33,487㎡(10,124坪)
延床面積:43,785㎡(13,245坪)
設備:トラックバース数:30台(片面ホーム)
倉庫面積:36,678㎡(11,095坪)
設備:貨物エレベーター2基、垂直搬送機6基、トラック待機場、駐車場、駐輪場 等
事業開始:2026年6月22日
(石原達也、藤原秀行)









