自力走行できない車両を約5分で移動可能に、出港遅れ削減など想定
商船三井は7月22日、大型船舶の係留チェーンなどを手掛ける大和チエン工業(兵庫県姫路市)、商船三井テクノトレードの両社と共同で、自動車船の船内で一時的に自力走行が困難となった車両を移動させる車両移動用「スケーター」を開発、商船三井が運航する全船への配備を開始したと発表した。
従来は、自力走行が困難な車両を移動するために牽引車などの手配が必要で、手配が容易でない港は荷役に数時間にもおよぶ遅延が生じていた。
スケーターを用いることで対象車両を約5分で移動させることが可能になるという。
商船三井は荷役停滞や出港遅れを減らし、安定した自動車輸送体制の強化につながるとみてる。

従来の荷役とスケーター導入後の比較イメージ

自動車船内の様子

スケーター設置の様子
自動車船は、数千台の車両を前後約30cm、左右約10cm、高さ最小クリアランス(車両と船内構造物の間で設けられる隙間のうち、設計上許容される最も小さい距離)10cmという限られた間隔で高密度に積載している。車両は所定の順序に従って積み揚げされるため、燃料不足やバッテリーの放電などにより一時的に自力走行ができない車両が船内に1台でも発生すると、周辺車両の荷役作業にも影響し、結果として荷役全体の停滞や出港遅延につながることが課題となっていた。
牽引車の手配には、到着までの待ち時間が生じる場合もあり、港によっては牽引車を手配できない、あるいは対応に時間を要することも多くあった。
スケーターは、対象車両に直接取り付けて移動を支援する専用機材。外部の支援に依存せずに荷役作業を速やかに再開させられるため、グローバルに寄港する全ての港で安全かつ確実な自動車輸送を実現できると見込む。
(藤原秀行)※いずれも商船三井提供







