東南アジアなどグローバルサウスの水害減災に貢献目指す
Spectee(スペクティ)は7月30日、グローバルに洪水予測・水資源/気候リスク評価サービスを展開しているスタートアップのAqunia(アクニア、東京都中央区 )と共同開発契約を締結したと発表した。
両社が共同で提案した研究開発課題「SNSデータとAI/水文シミュレーションを融合した内水・外水統合型洪水予測技術の開発」は、国土交通省が実施する2026年度「SBIR建設技術研究開発助成制度(中小・スタートアップ企業タイプ)」に採択された。
共同開発では、Aquniaの広域水文シミュレーション技術(地球全体の水循環や大規模な河川・流域の水の動きをコンピュータ上で再現・予測する技術)とSpecteeのSNS解析技術を組み合わせ、内水・外水を統合した高精度な洪水予測技術の実現を目指す。
国内に加え、東南アジア地域をはじめとするグローバルサウス諸国の水害の減災・防災にも貢献していきたい考え。

(Spectee提供)
気候変動により国内外で水害の激甚化・頻発化が進む中、特に都市部では、降雨量が排水能力を上回ることで発生する「内水氾濫」の被害が深刻化している。
従来の内水氾濫予測技術は排水網データなどの精緻なインフラ情報に依存しており、データが未整備の地域における高精度な予測は困難なのが課題だ。また、データ整備には多大なコストと期間を要することが大きな障壁となっていて、河川の氾濫(外水氾濫)予測に比べて導入が遅れている。
インフラ情報の整備が進んでいないグローバルサウス諸国でこの課題はとりわけ深刻な状態にあり、排水網などのデータの有無によらず展開できる予測技術の確立が急務となっている。
Aquniaは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と東京大学が開発した全球水循環シミュレーションシステム「Today’s Earth」の研究成果を活用し、物理モデルとAIを活用した独自のローカライズ技術を融合させることで、各国・各地域で利用可能な洪水・水資源予測ソリューションを展開してきた。
Specteeは、AI技術を活用してSNS投稿のテキストや画像・動画から浸水地点と浸水深を自動判別し、浸水範囲をリアルタイムに推定する技術を有しており、市街地で刻々と変化する現場のピンポイントな浸水状況をいち早く把握することを強みにしている。
「これから起こる浸水」を予測するAquniaのシミュレーション技術と、「いま起きている浸水」を現場レベルで即時に捉えるSpecteeの浸水推定技術を組み合わせることで、排水網などのデータに頼らずに高精度かつ汎用的な「内外水統合型予測システム」を確立できると考え、共同開発に踏み切る。
(藤原秀行)







