カウネット、宮澤社長自らCLOに就任

カウネット、宮澤社長自らCLOに就任

当日配送の36%を翌日へ移行、最新鋭「東北IDC」竣工など複数施策で持続可能な物流実現

コクヨグループで購買管理システムおよびオフィス用品の法人向けECを提供するカウネットは8月20日、宮澤典友社長をCLO(Chief Logistics Officer/最高物流責任者)に選任し、改正物流効率化法に基づく経済産業省への届け出が完了したと発表した。

代表自らがCLOに就くことで、物流改革を経営の最重要課題として全社で推進する姿勢を明確にするのが狙い。

併せて、これまで実施してきた物流改革を公表した。2025年に導入した「当日選択式サービス」により、物量の約36%が翌日配送へ移行し、夕方の午後3~6時台の配送集中が9.4pp(パーセントポイント)緩和。配達完了時間の前倒しと庫内作業の平準化が実現し、一部では配送ドライバーの労働時間が1時間短縮されるなど、物流現場の労働環境改善につながる成果を確認しているという。

また、今年6月1日に、配送料自社負担の注文金額基準を3500円(税込み)以上に変更。物流業界における人手不足やコスト上昇を考慮した。各種セール・キャンペーンの実施やまとめ買いの推奨により、基準改定後も多くのユーザーが配送料負担なく利用できる環境を整備している。

23年2月より、Webからの注文後10分以内であれば、ユーザー自身がWebから注文をキャンセルできる機能を導入。注文直後の入力ミスや購入内容の変更に迅速に対応できるようになり、不要な配送を未然に防ぐことで、物流現場の無駄な作業負荷の削減にもつながっていると強調している。

加えて、今年1月には対象カテゴリの特価日をカレンダー形式であらかじめ公開する「カウ得!ポイントUPカレンダー」を開始。いつ・何がお得になるかを事前に可視化することで、従来の不定期なキャンペーンでは難しかった「事前の購買計画」を可能にできるという。

受注件数の平準化も進んでおり、特定日への注文集中を緩和し、曜日・日付をまたいだ受注の分散を促すことで、物流センターの作業負荷の平準化と配送効率の向上を進めている。

導入以降はユーザーの声を基にGoogleカレンダーへの登録機能や当日対象商品のポップアップ表示など複数の機能改善を継続的に実施している。

カウネットが展開する間接材購買管理サービス「べんりねっと」は、複数の購買先に分散していた注文を一元管理・集約することで、物流コストの低減と環境負荷の軽減を促進。

仕入れ先からの入荷をパレット単位に切り替える取り組みも進めており、2時間を超える荷降ろし件数が1年間で17件から1件へ、約94%削減できたという(対象サプライヤー5社実績)。

24年より、物流センターへのトラック到着時間を事前予約できる「バース予約システム」を導入。これまで把握が難しかったトラックの接車時間を可視化することで、「早い者勝ち」になりがちだった納品車両の受け入れを公平化し、ドライバーが計画的に業務を進められる環境の実現を図っている。

可視化によって得たデータは、輸送会社との改善交渉の材料としても活用しており、物流センター全体のオペレーション最適化に役立てている。引き続き、データの蓄積と分析を重ね、繁忙期を含めた年間を通じた接車時間の改善を目指す。

このほか、異業種との共同配送で積載効率を最適化。共同配送後、パートナー企業の積載効率は平日に約15%、自社の積載効率は週末に約28%向上し、それぞれの繁閑に応じた効率化を実現したという。

共同配送によりトラック運行台数を年間約2000台削減し、CO2排出量の年間5.8t抑制した。

23年より、一部サプライヤーから物流センターへの詰め合わせ納品の梱包を、段ボールからオリコン(折り畳みコンテナ)へ切り替えた。繰り返し使用可能なオリコンの導入により段ボール資材の使用量を削減し、サプライチェーン全体での環境負荷低減と持続可能な物流の実現を進めている。

従来の文具卸ルートで行っていた配送を、通販カウネットのインフラを活用した一般路線・宅配モデルへ転換。早朝納品・オリコン納品・納品書手渡しといった卸特有の特殊運用の廃止を販売店も含めて調整し、カウネットの配送インフラへの統合を実現することで、積載効率の向上を達成している。

今後は倉庫内作業の自動化も推進し、さらなる効率化と持続可能な物流体制の構築を狙う。

カウネットでは取り扱い在庫商品数の拡充を継続的に推進することで、一度の配送でより多くの商品をお届けできる体制の強化を図っています。品揃えの充実により、お客様が必要な商品をまとめてご注文いただきやすくなり、配送回数の削減と物流効率化につなげています。

2022年、AIを活用した需要予測を開始。季節や天候によって需要変動が大きい飲料品やオフィス家具などを中心に対象カテゴリを継続的に拡大しており、需要を先読みした適切な在庫補充により、欠品の抑制とスムーズな商品供給につなげている。

欠品による別送・再配送を未然に防ぐことで、物流効率の向上にもつながっている。

メーカー直送品などを対象に、サプライヤーと在庫状況・廃番・受注情報をリアルタイムに近い形で連携する仕組みを構築。欠品・廃番情報をいち早く把握することで、不意の欠品や廃番商品の販売継続を未然に防ぎ、ユーザーへのスムーズな商品供給を実現している。

26年上期時点で58社との情報連携を実現しており、今後さらに連携サプライヤーの拡大を推進する。

AIを活用した需要予測に基づき、各拠点への最適な在庫配置を検討。適切な在庫配置によりユーザーへの一括配送率を高め、配送回数の削減と物流コストの低減につなげる。

今年2月には仙台市でコクヨグループの最新鋭物流拠点「東北IDC」が竣工した。稼働開始は今年10月の予定。日立製作所の次世代マテハンシステムを導入し、庫内生産性は既存主要拠点比で約40%向上すると見積もっている。最大27万SKUの高密度保管を実現するとともに、棚卸業務の工数も50〜70%削減できると想定している。

東北・北海道エリアにおける配送リードタイムの短縮と品ぞろえの拡充を支える重要拠点として運営する。

(藤原秀行)※いずれもカウネット提供

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