【現地取材】ブルーイノベーションと東京・板橋区、ドローンの社会実装へ包括連携協定を締結

【現地取材】ブルーイノベーションと東京・板橋区、ドローンの社会実装へ包括連携協定を締結

平時からインフラ点検などで活用進め、災害時も物資輸送の力に

ドローンやロボットを用いた社会課題解決ソリューションの開発を手掛けるブルーイノベーションと東京都板橋区は9月1日、都市型ドローン社会実装のモデル構築に向けた包括連携協定を締結した。インフラ点検や物資輸送など平時からのドローン活用を通じて、非常時にも円滑にドローンを運用、災害復旧などに活用できる体制の整備を目指す。

具体的な取り組み内容は今後、両者で協議する。


区役所内で開いた協定締結式に臨む坂本健区長(左)とブルーイノベーション・熊田貴之社長

ブルーイノベーションは板橋区内に研究・実証拠点を構え、区内で三井不動産と日鉄興和不動産が共同開発した物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」内のドローン実証実験フィールドの運営に携わっているほか、板橋区の産業振興戦略「板橋区産業振興構想2035 検討会」に製造・建設業検討会の委員として参画するなど、以前から同区と協力関係を深めてきた。

板橋区は光学・精密機器産業の集積地で、大学や研究機関、医療機関も数多い。それぞれが持つポテンシャルを生かし、人口減少、気候変動、地政学的リスクの高まり、AIをはじめとする急速な技術の進歩といった社会情勢の変化を考慮しながら、次世代の区内産業の育成を図るため、2026年度を初年度とする「板橋区産業振興構想2035」をスタートさせている。

同構想では、ドローン実証実験フィールドを地域の強みとして、ドローン産業も次世代産業の一つに位置付けている。


「区内に集積する光学・精密機器産業の参入から、物流のラストワンマイルでの運用まで、ドローンには特に産業振興とイノベーションの面で期待している」と語る坂本区長

こうした背景から、ドローンをはじめとする先端技術を活用し、新産業の創出、地域経済活性化、地域課題の解決につなげることを目的に、包括連携協定を締結した。協定に基づくプロジェクトでは、以下4領域で具体的なユースケースの創出を目指す。

①「防災・安全」:災害発生時の情報収集や被災状況の把握など、迅速な初動対応への活用
②「インフラ・環境」:河川・道路・橋梁などのインフラの、維持管理業務効率化への活用
③「物流・移動」:物資輸送など新たな物流手段としての活用
④「産業・人材」:区内企業や研究機関などとの連携による新たな技術やサービスの創出と、ドローン社会を支える人材育成

ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「フォーカスしているのは災害時の物資輸送であり、そのために平時から『何を』『どのように』運ぶのかを検証することを重視している」と説明、物流を重視している姿勢を示した。

同日、板橋区役所で開催した協定の締結式では、坂本健区長が「板橋区ならではのイノベーション、区民生活の活性化につながる成果を生み出していきたい」と強調。熊田社長も「平時からインフラの点検・巡回や産業振興などへの取り組みを通じて、運航実績、データ、地域社会との協力関係などを積み重ね、ドローンを有事にも役立つソリューションへと育てていきたい」と意気込みを語った。


「平時の活用が有事の力になる」と強調する熊田社長

(石原達也)

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