UHF帯活用したサプライチェーン管理と並行して可能に
TOPPANホールディングスは9月2日、傘下のTOPPANがアパレルブランド向けに、サプライチェーン管理と消費者へのトレーサビリティー情報提供を両立する小型デュアルRFIDタグを開発したと発表した。
2026年度内の提供開始を目指しており、関連規制が厳しい欧州で事業展開しているアパレルブランドに利用を働き掛ける。29年度までに関連受注を含めて10億円の売り上げを目指す。
長距離通信での一括読み取りに優れたUHF帯と、近距離通信で安全性に優れたNFCの2つの通信規格を統合したデュアルタイプとして展開。UHF帯により物流や店舗におけるサプライチェーン管理を一括読み取りで効率化するとともに、購入後はNFCにより消費者のスマートフォンでトレーサビリティー情報が閲覧可能になる。
トレーサビリティー情報の提供にとどまらず、真贋判定やキャンペーンへの参加などにも活用できるため、顧客体験価値の向上に貢献すると見込む。

織ネーム(ブランドタグ)

小型デュアルRFIDタグ
現在、製品の素材や環境負荷といった情報をQRコードなどで電子的に開示・追跡できるよう定めるDPP規制をEU(欧州連合)が推進しているのをはじめ、原材料調達から製造、流通、廃棄に至るライフサイクル全体を通じたトレーサビリティーの法制化が世界的に進んでおり、アパレル業界も事業者だけでなく消費者からサステナビリティ対応やサプライチェーンの透明性確保が強く求められる中、27年以降のDPP導入が予定されるなど、製品ライフサイクルを通じた確実な情報開示と管理が急務になっている。
ただ、従来のアパレル向けUHF帯タグは、長距離一括読み取り式のため在庫管理やレジ業務を主目的としており、消費者が個人の端末で利用するのには適していなかった。
購入後は切り離されて捨てられることが多く、消費者に対する情報開示やリサイクル時の追跡に活用しにくい点が問題となっていた。
そこで衣服の織ネーム(ブランドタグ)への実装技術に加え、洗濯や摩擦に耐えられる高い耐久性を実現する構造設計を確立した。
衣服に取り付ける際、縫製に使用する糸の一部を導電糸にすることで、導電糸にRFIDの電波を結合させる構造を開発。小型でありながら5m以上の長距離通信を実現した。
TOPPANが提供するID認証プラットフォーム「ID-NEX NFC セキュアID認証サービス」を活用すれば、既存システムやブロックチェーンと柔軟に連携し、DPP情報などを改ざん不能な形で追跡できるという。
ICチップおよび実装部を補強した高耐久な設計を施しており、家庭用洗濯機での100回洗濯耐久テストをクリア。着用や洗濯を繰り返してもタグの機能を維持できるとみている。
価格は1枚当たり約100円から(10万枚一括手配時)。織ネームは含まない。導入数量に応じて価格は変動する。
(藤原秀行)※いずれもTOPPANホールディングス提供









