ABEJAがJR東と連携、フィジカルAI活用した館内デリバリー自動化の実証開始

ABEJAがJR東と連携、フィジカルAI活用した館内デリバリー自動化の実証開始

双腕ロボットが荷物の認識・把持・積み込み担う

AIを活用したソリューション開発を手掛けるABEJA(アベジャ)は9月3日、JR東日本と連携し、東京都港区高輪の大規模開発エリア「TAKANAWA GATEWAY CITY」(高輪ゲートウェイシティ)の館内物流を完全自動化することを視野に入れ、AIがロボットなどを自律的に制御する技術「フィジカルAI」を用いた実証プロジェクトを開始したと発表した。

これまで自動化が困難とされていたデリバリーロボットへの荷物の受け渡しプロセスの一連を双腕ロボットが自動で行うことに成功したという。

高輪ゲートウェイシティの館内デリバリーでは、移動・搬送を担う自律走行型デリバリーロボットの導入検証が本格化している。その一方、自律走行型デリバリーロボットへの荷物の受け渡しプロセスは、多品種かつ不規則な配置が前提となるため、従来の産業用ロボットで自動化するには導入・調整コストが高く、人手に頼る領域として残っていた。

ABEJAはこの領域にフィジカルAIを応用して、当該プロセスの自動化を果たした。

ABEJAはJR東と協力し、現場のデータ収集を行った上で、ABEJA Platform上のフィジカルAI及び関連技術を、人間の腕のような柔軟性を持つ7軸関節の双腕ロボットに統合。荷物の認識・把持・積み込み機能を搭載させ、一連のプロセスの自動化を実現し。

特定の条件下に合わせてあらかじめ動作を設計しておく従来の産業用ロボットは、実際の現場で生じる荷物の位置や向きのずれ、対象物の個体差などに応じて柔軟に動作することができないが、ABEJAは、こうした現場の不確実性を前提とした基盤モデルを利用したシステムを構築した。データや人間の動きを基に継続的な追加学習を実行することで、現場の状況に即応して最適な動作を双腕ロボット自らが判断できる、柔軟かつ汎用性の高い制御を可能にsている。

具体的には、対象物となる弁当を用いて、人間が双腕ロボットに対して手本となる動作を実演し、その際のカメラ映像(視覚情報)、関節の角度、力加減などの操作データをAIに模倣学習させている。

異なる状況下であっても、AIが「この物体が対象物である」と人間の認知に近い高レベルな判断を自律的に行い、アームを動かすことが可能になった。その結果、卓上に置かれた対象物の位置や形状を双腕ロボット自身が正確に認識して把持し、デリバリーロボットの棚の入り口に積み込んだ後、奥まで適切に押し込むといった、人間に近い複雑かつ繊細な一連のプロセスの自律的な実行を達成した。

並行して、特定の条件下でのみ成立するデモンストレーションにとどまらず、フィジカルAIの実運用を見据えた自律動作の有用性も提示。対象物を元の位置に戻した後に再度同じタスクを正確に実行できる高い再現性に加え、動作の失敗や、人の介在による環境変化が生じた際にも、双腕ロボット自らが状況を再認識して作業を続行できることも確認したという。

AIの出力する結果に対して人がチェック・フィードバックを行う仕組みを取り入れており、継続的に精度を高め続け、ロボットをより確実な動作へ進化させる。


双腕ロボット(右)が卓上に置かれた対象物を把持し、デリバリーロボット(左)の棚に入れる様子


双腕ロボットがデリバリーロボットの蓋を閉じる様子


高輪ゲートウェイシティ

(藤原秀行)※いずれもABEJA提供

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