【現地取材・動画】ヤマトが東京・東雲で12万㎡とグループ最大級の基幹拠点公開

【現地取材・動画】ヤマトが東京・東雲で12万㎡とグループ最大級の基幹拠点公開

ビジネスを最大化する保管から配送までの機能統合

ヤマト運輸と大和ハウス工業は10月28日、ヤマトが11月16日に東京都江東区東雲で稼働させる「統合型ビジネスソリューション拠点」の報道関係者向け施設見学会を開催した。基幹拠点「羽田クロノゲート」(東京都大田区羽田旭町)に次ぐ、ヤマトグループ最大級の物流拠点で、保管から発送までの機能統合や利便性の高い立地を武器に、企業のサプライチェーン強化を後押しする狙いがある。


施設の外観(上の2枚はヤマト運輸と大和ハウス工業提供)


ランプウェー

EC受注2時間延長も

同拠点は大和ハウスが開発した物流施設「DPL東京東雲」をヤマトが1棟借りしている。地上6階建て、延床面積は約12万㎡。首都高の豊洲ICから約1.5km、東京駅から5km圏内という好立地で、東京メトロ豊洲駅など複数の駅からも徒歩圏内。23区全域への配送が30分圏内という利便性を誇る。

「統合型ビジネスソリューション拠点」は、仕分けや輸配送といった物流ターミナル機能と、保管やピッキングなどのロジスティクス機能を併せ持つヤマトの物流拠点だ。これまでに本州の6カ所が稼働済みで、今後はこの東雲に加えて岡山で11月、福島・郡山で2027年2月と計3拠点が稼働する計画だ。

流通する商品の多くはメーカーの倉庫に保管されているが、ECで受注して宅配便の配送網に乗せるには、保管倉庫から宅配事業者の営業所、そしてターミナル拠点へと「横持ち」されることになる。一方で保管機能も備えた統合型拠点ならば横持ちの必要がなく、配送品質の向上が見込めるほか、リードタイムを1~2時間短縮できるという。

施設見学会でヤマトの弘内泰樹・東雲プロジェクト長は「例えばEC事業者であれば、翌日配送の受注締め切り時間を1~2時間延長できる計算になり、販売機会を最大化できる。多くの引き合いをいただいており、ロジスティクス機能を持たせた4~6階部分はほぼ満床で来年4月を迎えられる見通しだ」と強調する。

東雲では最新型の仕分け機器を導入し、ターミナル機能の強化を図っている。1時間当たりの仕分け個数は従来施設比で約4割増の4万3200個。このうち約5600㎡の冷凍・冷蔵エリアでは同1万4400個を仕分ける。見学会でもかご車からコンベヤーに移した段ボールが短時間で仕分けされていた。


庫内の様子


最新の仕分け機器などを採用、業務効率を上げている


説明する弘内氏

トラックの姿は極力見せない

東雲は大井コンテナふ頭や羽田空港から車で約20分。海外輸入から全国発送までワンストップ対応できる上、都心近接の特性を生かし、保税エリアを海外商品のショールームとするなど多様な利用シーンに対応可能。弘内プロジェクト長は「単なる配送拠点ではなく、事業スピードを最大化する拠点だ」と胸を張る。

高い利便性の一方、都市近接型の拠点運営は地域との共生なしには成り立たない。DPL東京東雲の開発に当たり、大和ハウスは周辺環境に配慮。下層から上層にかけて明るい色になるグラデーションデザインの外壁パネルで建築物の圧迫感を軽減するほか、拠点西側の壁面は都市部のオフィスビルなどで用いられているカーテンウォールを採用し、周辺の街並みとの調和を重視している。

ラストマイル向け立地のポテンシャルを生かそうと、東西2カ所にランプウェイを設置する「ダブルランプウェイ」方式を採用。6フロア全てで接車可能な計271台分のバースを備えるが、車路やランプウェイに防音壁を設置することで走行音の抑制に加え、トラックが夜間に点灯するライトが周辺地域に与える影響も低減する。

さらに外構部にも防音の屋根と壁を設置した。大和ハウス東京本店・建築事業部の村上泰規部長は「敷地内ではトラックが入退室するときしか、トラックの姿が見えないつくりになっている」と話す。


村上氏

同拠点の敷地南側には、地域住民が利用できる地域貢献施設「SHINONO-BA」(シノノバ)を整備した。老朽化していた既存の地域集会所と公衆トイレを建て替え、併せて敷地内の緑地が江東区の緑道公園と一体化するような形で整備し、地域に開放している。

地域貢献施設は柱や梁に国産杉を使った木造建築で、地域と物流拠点の中間領域でありつつ、開かれた交流拠点の役割も担う。村上部長は「都市型施設としてどんな地域貢献ができるのか、近隣や江東区の皆さまと議論を重ねた。物流、防災、地域共生を結び付け、エリア全体の価値向上に寄与していきたい」と話している。


SHINONO-BA(ヤマト運輸と大和ハウス工業提供)

(佐久間修志)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事