マルチ型開発拡大の姿勢をあらためて表明
大和ハウス工業の芳井敬一社長は11月11日、都内の東京本社内で開いた2019年度中間決算の説明記者会見で、中古住宅の売買仲介やリノベーション、再生など手掛ける住宅ストック事業を展開していることに関連し、物流施設などの事業施設も同事業の一環としてより積極的に展開していくことに意欲をのぞかせた。
芳井社長は、住宅ストック事業でさまざまなサービスを展開していることなどが自社の強みとの見解を示した上で、「事業施設が加わってくれば(住宅ストック事業の収益規模の)桁が変わる。しっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
会見に出席した芳井社長
また、物流施設開発の現況について「昨年の今ごろは非常に開発用地の取得は厳しかった。(われわれの想定と実際の価格に)かなりの乖離があった。しかし、今は当社がテナント企業(候補)を非常に豊富に持っていることもあり、用地の仕入れは8~10月にかけて順調に進んでいる。現在はわれわれによって非常に良い環境」と説明。
eコマースからの先進的な物流施設需要が旺盛なことなどを踏まえ、同社が従来軸としてきたBTS型(専用施設)に加え、マルチテナント型に注力していく方針をあらためて表明した。
芳井社長は「(これまで開発規模の目安としてきた)BTSとマルチテナントが7対3という比率を崩しながら(市場のニーズに対する開発規模の)最適化を図っていきたい」と積極姿勢を表明。同時に「むやみに建てるわけではなく、ある程度採算が立ったら建てる。そのための情報は持っている」と強調した。
(藤原秀行)