産業ファンド、日本ロジファンドなど9銘柄がストップ高
3月23日の東京証券取引所では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う市場環境悪化のあおりを受けて投資口価格(企業の株価に相当)が急落していたJリート(不動産投資信託)の各銘柄が、一転して買い戻された。
【独自取材、新型ウイルス】物流系Jリートの投資口価格、“コロナショック”で全11銘柄が年初来安値
東京市場でのJリートの総合的な値動きを表す東証REIT指数は終値ベースで全営業日の3月19日から157・53ポイント(13・8%)上昇し1303・06まで戻った。直近のピーク時から3~4割下落していた物流系Jリートの各銘柄も急騰。投資対象を物流施設に特化するか、ポートフォリオの中で物流施設が相当な割合を占めている11銘柄を見ると、産業ファンド投資法人や日本プロロジスリート投資法人など9銘柄が取引時間中にストップ高となった。
物流系Jリートは中長期的に安定した収益を生み出せることから、国内外の機関投資家の注目を集めている。“コロナショック”の影響で売り一色となったものの、その後は割安になったところを着目した投資家らが積極的に買い戻した。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の成長減速への懸念は依然強いだけに、今後も収益性に構わず売られる場面が起こる可能性は大きく、物流系Jリートのスポンサー企業や資産運用会社は当面、神経質な運用を迫られそうだ。
11銘柄の3月23日の投資口価格は同19日から加重平均で19・0%上昇。特に産業ファンド投資法人(25・2%)や日本ロジスティクスファンド投資法人(25・0%)、日本プロロジスリート投資法人(22・6%)、大和ハウスリート投資法人(22・1%)、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(20・8%)、伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(20・5%)の6銘柄が2割以上の上昇幅を記録した。
ポートフォリオの一部に物流施設を組み入れている総合型Jリートも含めた17銘柄ベースでも、3月19日に比べて加重平均で投資口価格は16・2%上昇した。
上昇率 | ストップ高 | |
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産業ファンド | 25.2% | ◎ |
日本ロジスティクスファンド | 25.0% | ◎ |
日本プロロジスリート | 22.6% | ◎ |
大和ハウスリート | 22.1% | |
三井不動産ロジスティクスパーク | 20.8% | |
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス | 20.5% | ◎ |
GLP | 18.6% | ◎ |
CREロジスティクスファンド | 17.7% | ◎ |
ラサールロジポート | 16.2% | ◎ |
三菱地所物流リート | 12.1% | ◎ |
SOSiLA物流リート | 8.1% | ◎ |
物流系Jリート11銘柄の投資口価格の推移
(藤原秀行)