千葉・船橋の物流施設テナントに提供、波動踏まえ柔軟な転貸可能に
三井不動産はこのほど、スタートアップ企業のsouco(東京)が展開している、倉庫の空きスペースと保管を希望している荷物を仲介する「物流施設シェアサービス」の利用を開始した。
三井不動産が自社で開発・管理している「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」ブランドの先進的物流施設が対象。まず同社が千葉県船橋市で大型物流施設計3棟を順次開発しているプロジェクト「MFLP船橋」のテナント企業向けに4月以降提供する。soucoも4月6日に正式発表した。
soucoのシェアサービスは1000坪以下の小ロット、かつ1カ月といった短期での利用ニーズに対応しているのが特徴。ウェブサイト上で荷物保管に要する諸手続きを済ませられるなど利用開始までのハードルを下げている点が評価され、倉庫の空きスペースや荷物の情報を登録している企業は1000社超に達している。
倉庫事業者としては空いたスペースを有効活用できるため、収益向上が期待できる。荷主サイドは波動が大きい飲料やアパレルといった商品でも、一時的に増床して迅速に物量増加へ対応できるようになるのが大きなメリットだ。
物流現場の深刻な人手不足を踏まえ、シェアサービスは倉庫スペースのみの提供と、荷役作業とセットで倉庫スペースを利用できる寄託契約の2パターンを準備。荷主側が自由に選べるようになっている。さらに商工組合中央金庫(商工中金)と連携してシェアサービスを使う荷主企業や物流事業者の資金繰り支援にも乗り出している。
三井不動産は「MFLP船橋」で入居している約20のテナント企業にシェアサービスを紹介し、テナントが借りているスペースの一部が空いた場合に転貸できるようサポート。優良なテナントを物流施設に結び付けておきたい考えだ。soucoはシェアサービスを駆使することで、「MFLP船橋」のテナント企業間に加え、登録している1000社超にも空きスペースを紹介することが可能になり、空きスペースの有効活用の選択肢が広がると強調している。
「MFLP船橋」の外観(souco提供)
(藤原秀行)